2003 Fiscal Year Annual Research Report
相対論的輻射流体コードの開発とそれを用いた相対論的ジェットの研究
Project/Area Number |
15740121
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
岩本 弘一 日本大学, 理工学部, 講師 (30318357)
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Keywords | 超新星 / ガンマ線バースト / 輻射輸送 / 数値流体力学 |
Research Abstract |
相対論的輻射流体コードの開発の初期段階として、(1)輻射流体力学コードの改良および、(2)流体力学コードの相対論化を行った。(1)については、輻射輸送方程式のモーメント方程式を閉じさせるために必要なエディントン因子を精度よく高速に計算するための改良を行った。この改良により従来に比べ計算時間が約半分に短縮されたと評価される。更に、エネルギー密度およびエネルギー流速密度で平均した吸収係数の計算を行う部分を改良し、より高い精度で高速に平均吸収係数を求めることが可能になった。例として、Rosseland平均吸収係数の計算の場合に、典型的な超新星の最大光度時の物理状態において、OPALなどの吸収係数ライブラリーと2-10%程度の誤差で吸収係数の値が一致することが確かめられた。これは、OPALと同じ原子物理データを使用してはいないことを考慮すれば、非常によい一致と考えられる。(2)については、相対論的な流体の場合には、Godunovタイプの保存スキームで近似的リーマンソルバーにOsher法を用いた流体力学コードが、PPM法などよりも安定に精度よい計算ができることが経験的に明らかになった。当座はOsher法を用いて試作した相対論的流体力学コードを輻射輸送コードへ結合する予定である。その準備段階として、Osher法による相対論的流体コードを用いて、エネルギーの大きい超新星爆発のテスト計算をいくつか行った。また、1次元球対称の輻射流体力学コードを2次元軸対称の場合に拡張し、非球対称な幾何学に対応できる輻射流体コードを開発した。普通の超新星でもガンマ線バーストに付随している超新星の場合でも、光度曲線やスペクトルが球対称モデルでは説明できない事例がいくつか観測されている。これを説明するために、非球対称な爆発モデルを用いて多次元輻射輸送問題を解き、光度曲線に非球対称性が及ぼす影響を調べた。
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Research Products
(1 results)