2003 Fiscal Year Annual Research Report
パルサーのパルス発生機構を解明するための一般相対論的研究
Project/Area Number |
15740132
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
坂井 伸之 山形大学, 教育学部, 助教授 (00267402)
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Keywords | 一般相対論 / パルサー / 磁場 / ブラックホール / モノポール |
Research Abstract |
1.宇宙磁場の起源とインフレーションの初期条件問題 パルサーの強磁場をはじめ、宇宙には様々なスケールの磁場が存在する。その起源を説明するモデルとして、初期宇宙のインフレーションが有力視されている。しかしながら、インフレーションの基本的問題に「初期条件問題」がある。宇宙背景輻射の地平線を越えた一様性を説明することがインフレーションの主要な動機であるが、インフレーション自身が地平線を越えた一様な初期条件を仮定するならば問題のすり替えにしかならない。この問題は1990年代に多くの研究者によって議論されたが、「地平線を越えた領域で一様またはスローロール条件を満たさなければインフレーションは起こらない」という結論が広く支持された。しかし私は、位粗欠陥インフレーションというモデルにおいてはその結論が当てはまらないと予想し、その初期条件依存性を調べた。その結果、大きな非一様性を小スケールで与えてもインフレーションが起こることが示された。このことから、位相欠陥インフレーションが、宇宙の一要請や宇宙磁場の起源も説明する有力なモデルであると言える。 2.ブラックホール地平線を持つグローバルモノポールの性質 磁荷を持たないモノポルをグローバルモノポールという。プランクスケールに近い時期にこれが形成されると、上記の位相欠陥インフレーションが起こるが、形成時期が遅いと天体の構造に大きな影響を与える可能性がある。このグローバルモノポルのブラックホール解が存在することが最近指摘されたので、そのブラックホール解のまわりの時空の性質を解析した。その結果、もともとグローバルモノポールの持つ斥力とブラックホールの引力のバランスによって、粒子が静止する点が存在するという、特異な時空の性質が明らかになった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 坂井伸之: "Generality of topological inflation"Classical and Quantum Gravity. 21. 281-288 (2004)
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[Publications] 玉置孝至, 坂井伸之: "Properties of Global Monopoles with an Event Horizon"Physical Review D. 69. 044018 (2004)