2003 Fiscal Year Annual Research Report
クォーク模型によるストレンジネス-1および-2を持った非中間子弱崩壊の研究
Project/Area Number |
15740161
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Research Institution | Suzuka National College of Technology |
Principal Investigator |
仲本 朝基 鈴鹿工業高等専門学校, 一般科目, 講師 (10311036)
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Keywords | 非中間子弱崩壊 / πK混合機構 / 南部-ゴールドストン・ボゾン / SU(6)クォーク模型 / バリオン間相互作用 / ハイパー核 / WKB-RGMクォーク模型ポテンシャル / 荷電対称性の破れ |
Research Abstract |
今年度は、(1)非中間子弱崩壊Λ+N→N+Nの崩壊を計算するためのプログラム作成と、(2)これまでに構築してきた強い相互作用模型のさらなる分析を行った。ここで強い相互作用を研究する意図は、我々が弱い相互作用の結合定数を決定する際に用いるπK混合機構による模型において、強い相互作用依存性が大変重要だからである。 (1)核物質中における弱崩壊幅の計算プログラムを作成した。現段階ではバリオンレベルでの中間子交換ポテンシャルのみを用いた計算によるプログラムチェックがなされたところである。また、核物質中にとどまらず、ある程度現実的な原子核内を想定した波動関数を用いて計算できるプログラムも作成した。これらプログラムを用いて、来年度は実際に我々の模型を適用して計算する予定である。 (2)強い相互作用模型として現実的なバリオン8重項間相互作用の記述を与える京都-新潟クォーク模型(fss2)と同じ位相差を記述できる運動量依存局所なWKB-RGMクォーク模型ポテンシャルを求めることに成功した。これによって、バリオン8重項間相互作用について、直感的にわかりやすいが記述の方法に一貫性を欠いていた中間子交換模型と、記述する上で一貫性を与えるが直感的な理解が難しかったクォーク模型の、両方の長所を取り入れた分析が可能となり、同じクォーク模型の範囲内においてもフレイバー対称性の破れ方が異なる原因はポテンシャルの短距離領域における運動量依存項の取り扱い方に依存していることがわかった。この成果は研究会において発表され、現在関連する論文を執筆中である。
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