2005 Fiscal Year Annual Research Report
クォーク模型によるストレンジネス-1および-2を持った非中間子弱崩壊の研究
Project/Area Number |
15740161
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Research Institution | Suzuka National College of Technology |
Principal Investigator |
仲本 朝基 鈴鹿工業高等専門学校, 講師 (10311036)
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Keywords | 非中間子弱崩壊 / クォーク模型 / ハイパー核 / バリオン間相互作用 / エキゾチックハドロン / 南部-ゴールドストンボゾン / バリオン分光 / ペンタクォーク |
Research Abstract |
本研究課題の流れにおける最終目標は、交付申請書に記載したように「バリオン8重項間の相互作用を強い相互作用を含めて統一的に理解すること」である。本研究課題の最終年度を終えるにあたって得られた成果を以下に挙げる。 任意性の大きい弱崩壊過程を記述する上で、その中に必然的に含まれる強い相互作用のバーテックスにおいて極力任意性を排除することは重要である。この17年度に、これまでに京都・新潟グループによって提唱された強い相互作用を記述する現実的なクォーク模型によるバリオン8重項間相互作用に関する研究成果を総括レビュー論文として仕上げ、現在Progress in Particle and Nuclear Physics誌に投稿中である。とりわけ研究代表者が本研究課題期間内に行ってきたストレンジネス-2以上の系におけるバリオン8重項間の相互作用については、「束縛状態が存在しない」「強い引力と信じられてきたΛΛ相互作用は弱い引力であり、最新の実験データ(長良イベント)を良く説明できる」などの成果を挙げた。 また最近、大阪大学核物理研究センターの実験グループによってSPring-8で発見されたペンタクォーク(クォーク5体系の重粒子)の存在確認報告は、本研究課題の根本概念であるクォーク間相互作用の正しい理解に大きな影響を与え、これを受けて17年度は、クォーク間相互作用として閉じ込めポテンシャル、1グルーオン交換ポテンシャル、南部-ゴールドストンボゾン交換ポテンシャルを有効クォーク間相互作用として重粒子の基底状態を正しく記述する模型を構築し、それによって従来からペンタクォークの候補とみなされていたΛ(1405)粒子を3クォーク系および5クォーク系とみなした上でなされたエネルギー計算を比較検討したところ、5クォーク系の方が軽くなる、との結果を得、それを国際会議の場において口頭発表した。
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Research Products
(1 results)