2004 Fiscal Year Annual Research Report
荷電粒子飛跡検出器によるビーム衝突型実験用高性能トリガーの研究
Project/Area Number |
15740163
|
Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
岩崎 義仁 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (60311122)
|
Keywords | 荷電粒子飛跡検出器 / トリガー / ハフ変換 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、ビーム衝突型実験の荷電粒子飛跡検出器を用いたトリガーとしては初の、磁場中での荷電粒子の飛跡(円弧)を直線に変換するConformal変換と、一般的な直線認識アルゴリズムであるHough変換とを組み合わせた新しいトリガーアルゴリズムの基本性能の向上のため、シミュレーションによる研究を行った。前年度にその有効性がシミュレーションによる研究により示す事ができたが、更に詳細なアルゴリズム内のパラメーターの最適化を行い、性能の向上を行った。その結果、荷電粒子数の同定、飛行方向の測定、横方向運動量の測定等が得られ、既存のトリガーアルゴリズム以上の精度を得ることができた。高いバックグラウンド下での検出効率の研究では、様々なバックグラウンドを仮定し性能の評価を行ったが、目標とする検出効率より、少し下回った。詳細な研究の結果、この検出効率の低下は、このアルゴリズムに起因するものではなく、高バックグラウンド下での検出器自身の検出効率低下によるものであることが判明した。この事を考慮に入れるとこのアルゴリズムの性能は満足できるレベルに到達する事ができた。今後はハードウエア上での実現を目指すため、具体的な例に応用できるべく、汎用的なトリガーモジュール上へ移植できる形で、より現実的な設計と作成を行う。その為に既存の荷電粒子飛跡検出器のトリガー用出力を用いて、実用に堪えうるドリガー信号を取り出す事を目的とし、現在稼働中のトリガーと並列に設置し、その基本性能の比較評価を行う
|