2004 Fiscal Year Annual Research Report
強結合ゲージ理論の力学の理解と超弦理論の定式化へのその応用
Project/Area Number |
15740173
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
早川 雅司 独立行政法人理化学研究所, 川合理論物理学研究室, 先任研究員 (20270556)
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Keywords | 膜の量子化 / 非臨界弦 / 非摂動力学 / 行列模型 / domain wall fermion / 格子QCD / QED |
Research Abstract |
超弦理論の強結合極限において現れる「膜」のうち、一つの広がりが11番日の方向に巻きついたものは、古典論として2次元のある行列理論で正則化できることが指摘されている。我々は、さらにこの正則化が量子論レベルでも有効化を調べるため、摂動的な量子論の枠組みを定義した。そして、この理論のLorentz convarinceが量子論として存在するには、要求される臨界次元でなければならないことを摂動の最も低い次数で確認した。 閉じた弦のみの場の理論が、現時点で知られている非摂動効果を記述し得るか否かという問いは、理論を定義していく上で、開いた弦をさらに付け加えるか、さらには弦の場の理論を追求していくことに意味があるのか、を考察していく上で最初に検討すべきことである。我々は、Toy模型ではあるが非摂動論的に定義されている非臨界弦を取り上げ、上の問いに対し否定的な結果を得た。より具体的には、D-braneの生成消滅する;確率は、行列模型では評価可能であるが、場の理論では決して得られるものではないことを明らかにした。行列模型など弦の構成要素に相当する変数を見出すことが、弦の理論を定義するために必要であることを示した。 格子ゲージ理論の枠組みにおいてカイラル対称性を正しく実現することは、正しい物理量の結果を与えるために欠くことができない。Domain wall fermionは、このカイラル対称性の破れを制御可能にするという点で最も信頼のできる格子QCD理論を定義する。我々はlight quark massの決定を視野に入れ、さらにQEDの補正が正しく評価できるかを調べるため、π中間子の質量差などを計算してきたが、成果をまとめている。
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Research Products
(2 results)