2004 Fiscal Year Annual Research Report
光合成色素蛋白超分子複合体の単一分子超高速レーザー分光
Project/Area Number |
15740185
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
杉崎 満 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 講師 (20360042)
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Keywords | 光合成 / 色素蛋白超分子複合体 / 超高速分光 / 単一分子分光 / 顕微分光 / イメージング / 光カーシャッター / ポンプ・プローブ法 |
Research Abstract |
最近の研究により,光合成細菌における光合成の初期過程においては,これまでに人類が創製した如何なるデバイスよりも,遥かに高速(100フェムト秒以下)で高効率(ほぼ100%)のエネルギー変換が実現されている事が明らかになった.本研究は,超高速レーザーと共焦点型顕微鏡を用いて,光合成細菌の光合成系を形成する個々の色素蛋白超分子構造体の超高速光学特性を調べ,自然界が形成した超高速・高効率のエネルギー変換器(光合成反応組織)について,その動作機構を明らかにすることを目的とする. 昨年度は本研究を遂行するために最も重要な装置である.共焦点型顕微鏡の設計・組立を行い,良好に動作することを確認した.本年度は,本研究においてもう一つの重要な装置である,ハイパワー超短パルス光発生装置の整備を行った.本装置は,非同軸型光パラメトリック増幅によりスペクトル帯域の広いパルス光を発生させ,これをプリズム対とチャープ鏡を用いてパルス圧縮を行い,超短パルス光を得るというものである.設計から製作まで,申請者自らが行い,600nm付近にピークを持つサブ10フェムト秒の発生に成功した.この光源を用いて,極性カロテノイドや,β-カロテンホモログ体の超高速分光を行い,電子状態の緩和時定数の決定に加え,ラマン活性であるAg対称性を持つC-C伸縮振動のダイナミクスを直接観測することに成功した.この結果は,電子状態のコヒーレンスを分子振動をプローブとして観測することが可能であることを示している.本研究の一部は,Carotenoid Science誌に掲載予定であり,更に詳細な研究を継続中である.今後このレーザー分光システムと前述の共焦点顕微鏡,および光カーゲートシステムを組み合わせることにより,単一色素蛋白複合体の超高速イメージの観測を進めていく予定である.
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Research Products
(2 results)