2003 Fiscal Year Annual Research Report
ネプツニウム化合物の純良単結晶育成と異方的超伝導の探索
Project/Area Number |
15740195
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
青木 大 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (30359541)
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Keywords | 重い電子系 / ネプツニウム化合物 / ドハース・ファンアルフェン効果 / フラックス法 |
Research Abstract |
NpO_2を原料とした水溶液電解法により,高純度のネプツニウム金属を調製した。得られたネプツニウムを用いてフラックス法でNpNiGa_5,NpFeGa_5,NpCoGa_5,NpRhGa_5,NpIrGa_5の純良単結晶育成に成功した。電気抵抗,磁化,比熱等の基礎物性を測定した。0.4Kの低温まで電気抵抗を測定しているが,これまでのところ超伝導は見つかっていない。 これらの試料のうちNpNiGa_5において,初めて超ウラン化合物のドハース・ファンアルフェン(dHvA)効果の測定に成功した。dHvA振動数が1x10^8Oeまでの大きなフェルミ面を観測している。この極地断面積は常磁性状態のブリルアンゾーンの断面の48%を占めており,主要フェルミ面に対応する。dHvA振動数の角度依存性から,大きな主要フェルミ面が[001]方向に存在し,その他に2つの小さな球状フェルミ面が存在することが分かった。磁場方向が[001]面内のときに,9T近傍でdHvA振動振幅は大きな変化を示す。これはNpNiGadの磁気構造の変化に対応している。サイクロトロン有効質量は1.8m_0から4.9m_0とやや増強されている。これはNpNiGa_5が重い電子系物質であることを示している。ただし,検出されたサイクロトロン有効質量で電子比熱係数100mJ/K^2molを説明することは不可能であることから,さらに有効質量の大きなdHvAブランチが隠れているはずである。フェルミ面の全貌を明らかにするには,より低温,強磁場での実験が必要である。
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Research Products
(1 results)