2004 Fiscal Year Annual Research Report
重い電子系超伝導体における磁束状態の相転移に関する研究
Project/Area Number |
15740200
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田山 孝 東京大学, 物性研究所, 助手 (20334344)
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Keywords | 重い電子系超伝導体 / 低温磁化 / 磁束状態 / 異方的超伝導 |
Research Abstract |
ABST:昨年度に引き続き圧力下極低温磁化測定装置の開発を行い、CeCoIn_5の上部臨界磁場H_<c2>での1次転移の圧力依存性を調べた。昨年度は[001]方向の測定を行ったが、今年度は[100]方向における1次転移の圧力依存性を1.5GPaまで調べた。その結果、[001]方向における結果とは異なり、[100]方向におけるH_<c2>の値は加圧とともに顕著に増大することを見出した。さらに得られた結果の詳しい解析を行ったところ、これまでの予想に反してCeCoIn_5のH_<c2>での1次転移はPauli limitだけでは説明できないことがわかった。また1GPa以上の圧力においては、H_<c2>での1次転移に伴って異常なピーク効果が現れることを明らかにした。 ABST : PrFe_4P_<12>の[111]方向における高磁場での非フェルミ液体的挙動の起源を探るため1K以下の磁化および比熱測定を行った。その結果、低磁場秩序相に隣接して高磁場に新しい秩序状態が存在していることを見出した。また、この高磁場相は方向依存性が非常に強く、[111]方向からわずかに数度傾けただけで消失するという特異な振る舞いが観測された。このB相の起源を探るため結晶場モデルによる数値計算を行ってみたところ、基底状態Γ_1、第一励起状態Γ_4という結晶場準位において正確に磁場を[111]方向に印加した場合のみレベルクロスが起きることを見出した。したがって、適当なサイト間相互作用を考慮すれば、A相は別にしてΓ_1-Γ_4モデルによってB相を定性的に説明できることがわかった。
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Research Products
(3 results)