2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15740234
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
樋上 和弘 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (60262151)
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Keywords | 結び目 / 量子不変量 / ジョーンズ多項式 / チャーン・サイモンズ不変量 / 保型形式 / 3次元多様体 |
Research Abstract |
昨年度は、トーラス結び目・絡み目の色付きジョーンズ(Jones)多項式の性質を詳細に調べ、これらが半整数重みをもつ保型形式のアイヒラー(Eichler)積分の極限値として表せることを明らかにした。これにより不変量の厳密な漸近展開を見通しよく計算することが可能となり、特に主要項がチャーン・サイモンズ(Chern--Simons)不変量と一致することを示した。本年度はひきつづき他の3次元多様体の量子不変量の解析に取り組んだ。 トーラス結び目のようなトポロジー的にいくぶん単純な構造を持つ3次元多様体としてブリースコーン(Brieskorn)多様体が考えられる。この3次元多様体は古くから盛んに研究されてきており、チャーン・サイモンズ不変量やキャッソン(Casson)不変量を始め様々なトポロジカルな不変量が具体的に計算されている。そこで、まずこの3次元多様体のウィッテン・レシェティヒン・ツラエフ(Witten-Reshetikhin--Turaev)不変量の漸近展開の厳密な解析を試み、保型形式との関係を明らかにすることに成功した。その結果、チャーン・サイモンズ不変量、キャッソン不変量、ライデマイスターねじれなどといったブリースコーン多様体のさまざまなトポロジカル不変量と保型形式とのかかわり合いが明らかになった。 結び目不変量の話題としては、結び目の色付きジョーンズ多項式の漸化式がA多項式と呼ばれる不変量と結びつくとするAJ予想が注目を集めている。この予想により、ジョーンズ多項式に代表される量子不変量の幾何的な意味づけが得られるのではないかと期待されている。このAJ予想については、いままで解析的に示された例はなかったが、トーラス結び目について初めて解析的に証明することに成功した。
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Research Products
(2 results)