2004 Fiscal Year Annual Research Report
ポジトロニウムはいかにして形成されるか-ポジトロニウムビーム開発に向けて-
Project/Area Number |
15740256
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
篠原 紀幸 山口大学, 医学部, 助手 (40335758)
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Keywords | Psビーム / オルソPs / Ps形成確率 / 陽電子 / 陽電子衝突 / 気体のイオン化エネルギー |
Research Abstract |
電子の反粒子である陽電子は物質と衝突したとき、物質中の電子と対消滅してガンマ線を放出し有限の寿命で消滅することがある。その一部は消滅する前にポジトロニウム(Ps)と呼ばれる、クーロン力で束縛された電子陽電子対を形成することがある。Psの形成は、いくつかの気体とMgOなど金属酸化物、二酸化ケイ素などの絶縁体、高分子などで知られているが、形成機構についての知見は現在のところまだ確立していない。Ps形成機構に関する知見を得る基礎研究として本研究では気体におけるPs形成確率の実験研究を行うための実験装置の製作を昨年度に引き続き行った。実験装置は、陽電子の放出から消滅までの経過時間を計測する計測系と衝突室での気体環境を監視するガス制御系を組み合わせたものである。これらの系はそれぞれ別のPCで制御されていて実験室内LANを介して連携して動作する。本研究ではほとんど材料のない状態から比較的安価に実験装置を作成するためにコンピュータのソフトウェア資源は一切購入せずLinuxOSなど無料のものを用い、自作できるものは極力自作した。まず昨年度はそれぞれのシステムを製作し制御プログラムを作成して各機能のテスト実験を行った。本年度はさらにこれらをLAN経由で連動して動作するように統合システムを作成してテストを行った。現在もハード面でいくつかの不具合が見られるがそれらについてはパーツの交換などで解決できる見通しである。
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