2003 Fiscal Year Annual Research Report
複雑な形状の既存断層系で発生する地震の破壊経路の理論的予測
Project/Area Number |
15740277
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
亀 伸樹 九州大学, 大学院・理学研究院, 助手 (90304724)
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Keywords | 亀裂 / 弾性動力学 / 破壊 / 破壊伝播 / 地震波 / 断層 / 分岐現象 / 境界積分方程式法 |
Research Abstract |
1.破壊面の分岐現象と自己停止現象、その地震波放射についての解析 破壊経路が自己選択される地震破壊モデルで起きる、動的不安定による破壊面の分岐現象、続いて起きる自己停止現象、その放射地震波について、境界積分方程式法によるシミュレーション解析を行った。「非平面的な」地震破壊現象に特徴的な局面について詳細に調べて次の結果を得た:クーロン摩擦力が作用する場合は、分岐後、圧縮側の分岐面で破壊成長が卓越するという結果となる。これは一見非直感的であるが自然地震のトレースと調和する。この分岐破壊過程から放射される地震波を合成して、従来の「平面的な」地震破壊過程からのものと比較すると、動的分岐フェーズそれ自体は振幅が非常に小さくなることがわかった。しかし、動的分岐は破壊を突然停止させる効果により平面的な破壊停止モデルにおける破壊強度の高いバリアーと等価に作用する高周波地震波源になることが見いだされた。 2.分岐断層構造における地震の動的な破壊経路選択過程の解析 断層面の飛びや分岐を含む複雑断層系において、地震発生時どの面に沿って破壊するか予測することは地震防災上重要である。本研究では境界積分方程式法を用いて、分岐断層系での破壊面選択問題のシミュレーション解析を行った。破壊経路が自己選択される地震破壊モデルを用いて次のことを調べた:主断層上の動的破壊による分岐断層上の破壊励起と継続は可能か?破壊に適した分岐は圧縮側か引張側か?主断層上の破壊継続は可能か?破壊経路の選択に支配的な三つのパラメータである初期応力状態、分岐角度、分岐点破壊速度に対して網羅的に解析し、簡便に利用可能かつ詳細な破壊経路予測カタログを作成した。本カタログの予想破壊面と過去の自然地震の分岐破壊面と比較して調和的な結果を得た。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Nobuki KAME, Teruo YAMASHITA: "Dynamic branching, arresting of rupture and the seismic wave radiation in self-chosen crack path modelling"Geophysical Journal International. 155. 1042-1050 (2003)
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[Publications] Nobuki KAME, James R.RICE, Renata DMOWSKA: "Effects of pre-stress state and rupture velocity on dynamic fault branching"Journal of Geophysical Research. 108(B5). 2265,doi:10.1029 (2003)