2005 Fiscal Year Annual Research Report
月惑星画像大容量データから進化履歴を復元するための地形特徴を抽出する方法の研究
Project/Area Number |
15740278
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Research Institution | The University of Aizu |
Principal Investigator |
出村 裕英 会津大学, コンピュータ理工学部, 講師 (10360009)
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Keywords | コンピュータビジョン / 地形 / 一般化ハフ変換 / 形状認識 / クレータ / 数値地形図 / はやぶさ / 地形特徴抽出 |
Research Abstract |
本研究最終年度は『はやぶさ』小惑星探査機のランデブーと重なった。本年度夏までのソフトウエア・リハーサルにおいて、これまで開発されてきた小惑星全球形状認識・可視化ツール、緯経度展開地図作成、そして小惑星表面地形の衝突クレーター(円状凹地形)とグルーブ(地溝、線状凹地形)の抽出および空間位置把握・可視化といった各ツールの有用性が確認された。 『はやぶさ』は9月12日に小惑星イトカワに到着し、次第に近づきながら約3ヶ月のランデブー期間を通じて約1400枚撮像した。その運用と計画立案に携わり、この画像に基づいた3次元形状モデルの構築・座標系定義、地形の認識と抽出、地質判読等を行った。成功した降下・着陸の軌道計算に用いられたのは、本研究で提出できた全球形状をベースに質量を均等分布させたモデルである。 この形状モデルと、小惑星周囲で時々刻々位置を変える『はやぶさ』本体、両者の位置関係とカメラ視野とを可視化するツールとして、HARMONICS(HAyabusa Remote MONItoring and Commanding System)を開発し、運用した。これは、小惑星形状モデルに基づく画像と実画像を比較することで、形状モデルの評価・更新に役立てられた。 イトカワの表面は粗さや起伏の多様性に富んでいたものの、リムのはっきりした衝突クレーターや、破砕面を示唆するようなグルーブがほとんど見あたらず、地形抽出のために準備していたツール群は役立てられなかった。しかし、再来年度夏期打上予定の月探査機SELENEがもたらす数値標高地図データに十分応用できる仕様で地形抽出ツールの基礎は固められた。 イトカワの地形図・地形特徴の解釈、光学航法による自己位置同定、輝度値の光路幾何条件・地形補正、これらを通じて、指向情報精度のあまり良くない地球外データを数値地形図に基づいて議論する雛形が確立された。
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Research Products
(4 results)