2004 Fiscal Year Annual Research Report
沿磁力線電流、Sqダイナモを繰り込nだ電離層電流の全球過渡応答モデルの開発
Project/Area Number |
15740298
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉川 顕正 九州大学, 大学院・理学研究院, 助手 (70284479)
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Keywords | Sq / 過渡応答 / 電離層電流 / 磁気圏電離圏結合 / 地上磁場変動 / 地上磁場多点観測 / ダイナモ / 全球ポテンシャル |
Research Abstract |
沿磁力線電流と電離層電流のクロージャーをベースに構築されている磁気圏電離圏結合モデルでは、ポテンシャル電場で駆動される電離層電流の発散成分と沿磁力線電流が常に閉じるという条件と同時に、磁気圏電離圏間での静電ポテンシャルの連続性の保証という強い拘束条件が満たされている必要がある。 現在のグローバルMHDシミュレーションで採用されている沿磁力線電流と電離層電流のクロージャー方程式の解法では、主として以下二つのアプローチが取られている。(1)MHD変数から計算された磁気圏最下部での沿磁力線電流をソースとして、電離圏ポテンシャルを計算し、それを磁気圏最下部に返す。(2)MHD変数から計算された磁気圏最下部でのポテンシャルをソースとして、電離圏起源の沿磁力線電流を計算し、それを磁気圏最下部に返す。現在の大半のグローバルシミュレーションでは(1)の方法が取られているが、当然のことながらこの(1)と(2)の解は定常状態以外一致せず、結果、磁気圏電離圏間のエネルギーと電流交換において保存則が成立しない。 刻一刻と変動するグローバルシミュレーションの中で磁気圏電離圏結合問題を正しく解くためには、電流とポテンシャルの連続性という拘束条件を常に勘案しなければならない。本年度の研究ではこの問題に対する正しいアプローチとして、(A)一般の磁気圏電離圏結合問題が、定常問題+変動成分の入反射問題に帰着できることを示した上で、(B)MHD変数から計算された磁気圏最下部での沿磁力線電流とポテンシャルの両方を電離圏に投影し、(C)この場合に生じる磁気圏電離圏間の電流とポテンシャルの連続性の破れを保障する様に、電離圏起源のshear Alfven waveが励起する波動反射モデルを構築した。このモデルの下は、磁気圏電離圏間で各種物理量の保存則を満たしたまま系が時間発展することが保証される。
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Research Products
(5 results)