2004 Fiscal Year Annual Research Report
ゴンドワナ超大陸地殻の炭素貯蔵庫としてのグラファイト
Project/Area Number |
15740302
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
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Keywords | グラファイト / ミグマタイト / 炭素同位体 / ゴンドワナ超大陸 / 南極東部 |
Research Abstract |
平成16年度前半では、本研究計画で示した研究目的の多くを達成することができた。それらは以下のようなものである。部分溶融時における、グラファイト中の炭素同位体の変化を知るために、スペインEl Joyazo地域のメタペライト捕獲岩の研究を行った。予察的結果からは、閉鎖系における溶融時では、単一の捕獲岩中の炭素同位体比が一定であることが明らかとなった。一方、南インドにおけるミグマタイト中のグラファイトの炭素同位体比はさまざまな値をとり、レンジも広いことがわかった。これらの岩石における炭素同位体に関しては、今後さらに分析を行う予定である。さらに、南インドのマデゥライブロックから産したグラファイトからも新たなデータを得ることができ、下部地殻中の炭素同位体値において不均質があることが明らかとなった。 また平成16年度後半では、申請者は南極観測第46次隊に参加し、詳細な野外地質調査から、グラファイトのさまざまな産状を見出すことができた。南極東部におけるこれらグラファイトの産状は、スリランカや南インド、マダガスカルですでに観察されるものと類似することから、岩石の特徴や成因においても関連がある可能性が高いことが明らかとなった。これらを踏まえ、次年度においては、グラファイトの同位体比の変化を産状との対応を考慮に入れながらさらに追求し、そこから地殻深部における炭素同位体の移動・循環のプロセスを解明したい。
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Research Products
(6 results)