2004 Fiscal Year Annual Research Report
宇宙空間プラズマ中の衛星電位の理論的解析と次世代衛星電位計測システムの開発
Project/Area Number |
15740328
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
石坂 圭吾 富山県立大学, 工学部, 助手 (80326074)
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Keywords | 衛星電位 / 宇宙空間プラズマ / 磁気圏 / シングルプローブシステム / 電子密度 / 光電子放出 |
Research Abstract |
これまで宇宙空間プラズマ中における衛星の帯電について調査した結果,電子温度が比較的低い地球磁気圏遠尾部領域において衛星電位-電子密度特性を示す実験式が導出された.この実験式を用いて衛星電位による電子密度推定が行われている.しかし,磁気圏近尾部領域のような電子温度が高い領域においてこの実験式を用いると,電子温度の影響を受け正確な電子密度を得ることができないことがわかった.そこで,磁気圏近尾部領域において衛星電位-電子密度特性の電子温度依存性を調査し,電子温度を考慮した衛星電位-電子密度特性を示す実験式を導出した.得られた実験式を用いることにより,これまで電子温度が高くて正確な電子密度が得られなかったプラズマシート領域やプラズマシート境界領域においても電子密度が推定できるようになった.さらに,プラズマ波動によって電子密度が推定できない領域においても衛星電位から電子密度を推定することが可能になった. 上記の解析と並行してGeotail衛星の衛星電位計測の計測原理,および計測システムのハードウェアを見直した.その結果,Geotail衛星の衛星電位計測システムの追加・修正点を明確にすることができた.そして,これらの追加・修正点を考慮して衛星電位計測システムの設計を行ったところ,水星探査衛星BepiColombo MMOに搭載されることになった.衛星に搭載されるため,衛星電位計測システムの試作を行っている.今後は特にGeotail衛星には付加されていないClosed Loop gainのデジタルコントロール機能について十分試作を行い,実用化を目指す,さらに,地球磁気圏での衛星の帯電現象を参考にし,水星環境下における衛星の帯電について理論的な考察を行う.これにより,衛星電位計測システムの最終的な仕様を決定する予定である.
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