2003 Fiscal Year Annual Research Report
新しいクラスタ検出法によるメタンプラズマ中炭化水素クラスタの成長過程観察
Project/Area Number |
15740330
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Research Institution | Kitakyushu National College of Technology |
Principal Investigator |
福沢 剛 北九州工業高等専門学校, 電気電子工学科, 助教授 (70243904)
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Keywords | 高周波放電 / メタンプラズマ / 微粒子 / クラスタ / 閾値光電子放出法 |
Research Abstract |
本研究では,プロセスプラズマの気相中に発生する1nm程度以下のナノクラスタのその場検出法を確立し,その検出法を利用しナノクラスタの発生・成長過程を明らかにすることを目的としている.今年度は,メタン/高周波プラズマを対象に,レーザ散乱法,発光分光法,閾値光電子放出法を行った.また,閾値光電子放出法では,Nd-YAGレーザの4倍光調波を用いた.このレーザ光は,殆どのサイズの負帯電クラスタを1光子光脱離でき,また,C_8より大きな中性クラスタを2光子光電離できる.以下に今年度得られた結果を記す. 1.数10nm以上の微粒子とCH発光強度の空間分布の時間推移は,放電空間全体にわたって極めて良く似ている. 2.CH発光強度の変化が急な時間帯で,微粒子の散乱光強度変化が大きい. 3.光電子放出信号は,微粒子の散乱光強度とCH発光強度が強い部分(高周波電極側のプラズマ/シース境界領域)でのみ検出され,これらが殆ど検出されないプラズマバルク部では検出されない. 4.放電開始直後から光電子放出信号が検出されるが,この信号は,小さな電子親和力を有する負帯電クラスタからの光脱離によるものである. 5.放電時間が長くなるとともに,光電子放出信号は,中性クラスタからの光電離信号が支配的になる. 1〜3の結果は,微粒子の発生・成長が主にラジカルの寄与によってなされ,また,クラスタが微粒子の核になっていることを強く示唆しでいる. 4,5の結果は,閾値光電子放出法が炭素クラスタの検出にも十分有効であること,及び大部分のクラスタが電気的に中性であることを示している. 今後は,レーザ光の波長を変えて閾値光電子放出法を適用し,異なるサイズのクラスタの検出を試み,本手法の有効性を調べる.また,質量分析により,各種クラスタ検出法の結果を検証する.
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Research Products
(1 results)