2004 Fiscal Year Annual Research Report
ガスハイドレートに生成する放射線誘起ラジカルを利用したナノ反応場の可能性の追求
Project/Area Number |
15750008
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
谷 篤史 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10335333)
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Keywords | メタンハイドレート / 電子スピン共鳴 / 自己保存性 / メチルラジカル / 照射効果 / γ線 / X線CT / 包接化合物 |
Research Abstract |
これまでの研究からメタンハイドレート中に生成するメチルラジカルは200Kあたりで減衰することがわかっていた.その温度は大気圧下でメタンハイドレートが分解する温度に近いことから,メチルラジカルの減衰はメタンハイドレートの分解と関係があるのではないかと示唆されていた.そこで,本年度は高圧力下でのラジカルの熱安定性について研究を行った. 高圧力下での試料の加熱実験装置を作成し,10MPaまでの圧力でメチルラジカルの熱安定性を調べたところ,10MPaであっても210Kあたりでメチルラジカルの減衰が見られた.10MPaにおけるメタンハイドレートの分解する温度は286Kと高いことから,少なくとも高圧力下ではメチルラジカルの減衰はメタンハイドレートの分解とは関係がなく,内部での反応によって起こることがわかった.このことから,天然のメタンハイドレートの温度圧力条件下では,ラジカルは安定して存在しておらず,自然放射線によって誘起されたメチルラジカルは消滅していることが推測される. また,放射光施設(SPring-8)においてガスハイドレートと氷のX線μCTの撮影を試みた.このCT像の特徴は単色光(X線)による高分解能(1μm)なCT像を得ることができることにある.現段階では予察的な実験であるが,キセノンハイドレートや四フッ化メタンハイドレートでは,氷とガスハイドレート,空隙を区別することができた.将来,メタンハイドレートで議論となっている自己保存性のメカニズムをX線μCTという3次元その場観察から探ることが可能となるであろうと考えている.
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Preparation and characterization of a new inclusion compound with a ID molecular arrangement of organic radicals using a one-dimensional organic homogeneous nanochannel template2005
Author(s)
Kobayashi, H..Ueda, T., Miyakubo, K., Toyoda, J., Eguchi, T., Tani, A.
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Journal Title
Journal of Materials Chemistry 15・8
Pages: 872-879
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