2003 Fiscal Year Annual Research Report
赤外キャビティリングダウン分光法による気相生体高分子の水素結合構造の研究
Project/Area Number |
15750012
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
松本 剛昭 姫路工業大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30360051)
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Keywords | 赤外分光 / キャビティリングダウン / 超音速ジェット法 / 極低温孤立分子 / クラスター / 水素結合 |
Research Abstract |
本年度の研究実施計画は、赤外キャビティリングダウン分光法(IRCRS)の確率、及びエレクトロスプレーイオン化法(ESI)装置の開発の二点であった。 1.IRCRSの確立 (1)IRCRS装置の検出限界の見積もりを行った。長さ70cmのガスセルの両端に高反射率凹面鏡(R〜99.95%)を設置しキャビティを構成し、キャビティの一端より3.3μmのレーザー光を入射した。リングダウン波形の時定数フィティングを行った結果、キヤビティー往復あたりの光減衰率は880±16ppmであり、S/N比が1での検出限界は約60ppmであると見積もられた。 (2)常温気相ピロール分子のNH伸縮振動の測定を行った。上記のキャビティ内部にピロールを0.25〜1Torr封入し測定を行ったところ、ピロール圧力とQ枝吸収係数が比例関係となり、本装置でLambert-Beer則の成立を確認した。また、測定されたスペクトルより算出されたQ枝の吸収断面積(4.1±0.3)x10^<-19>cm^2は文献値とほぼ一致し、本装置の定量測定信頼性を確認した。 (3)低濃度気相分子種の測定方法の確立を目的として、超音速ジェット中に生成する孤立気相ベンゼンのCH伸縮振動の測定を行った。3.3μm付近に3本のバンドが観測され、赤外吸収による光減衰率は約200ppmであることがわかった。ジェット中のベンゼン濃度は10^<-9>mol/lであることから、(1)の検出限界から10^<-10>mol/lの低濃度まで観測可能であることがわかった。 2.ESI装置の開発 上記のIRCRSの開発が途中段階であること、及びESIによる分子濃度が超音速ジェット中のものの100分の1以下であることより、本年度はESI装置の開発には着手していない。これは来年度の課題である。
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