2005 Fiscal Year Annual Research Report
陽子誘起フラグメンテーションの標的核依存性からの反応機構の検討
Project/Area Number |
15750057
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
松村 宏 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 放射線科学センター, 助手 (30328661)
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Keywords | 核反応 / フラグメンテーション / 中高エネルギー / 原子核 / 核化学 |
Research Abstract |
高エネルギー核反応における"フラグメンテーション"は,現在もなおその反応機構は明確になっていない。この反応機構解明のために,1)入射粒子による軽核の生成の影響,2)標的核による軽核生成の依存性,3)軽核のエネルギースペクトル及び角度依存を手がかりにしたい。以上の情報を1.オンライン実験及び2.オフライン実験で行い,お互いの不得意な部分を相補しながら検討に用いるデータを取得することが本研究の趣旨である。なお,ビーム強度優先のため入射粒子には陽子にこだわらず,400MeVα粒子を選択した。研究に本質的な違いはない。また,入射粒子による軽核の生成の影響を調べるための最大500MeVの中性子誘起核反応による^<7,10>Beの収率測定も継続した。 1.オンライン実験 昨年度までのテストで最も良かったDE(Si-SSD with fast-amp)-E(Si-SSD with fast-amp)-TOFを採用した。信号をデジタルストレージオシロスコープに入れてDE-E TOF測定を行う手法により,C,Al,Cu,Ag標的から30度方向に飛び出すフラグメントの核種ごとのエネルギースペクトルの測定を行った。Z=6まで,m=14までのフラグメントのエネルギースペクトルを得ることに成功した。角度分布を得るのは今後の課題である。 2.オフライン実験 昨年度に引き続き,400,720,920MeVα核反応,及び最大500MeVの中性子核反応における^7Be及び^<10>Beの生成断面積をγ線スペクトロメトリー及び加速器質量分析により測定した(720,920MeVα核反応の実験は本年度が初めて)。720MeV,920MeVと入射エネルギーを上げていくと生成断面積は大きくなり,重い標的ほどその増加率が高いことがわかった。しかしながら,^<10>Beと^7Beの生成断面積比はエネルギーによらないことが新しくわかった。
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Research Products
(2 results)