2004 Fiscal Year Annual Research Report
電気化学反応を利用した二ホウ化マグネシウム大型単結晶育成法の探索
Project/Area Number |
15750058
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
吉井 賢資 特殊法人日本原子力研究所, 放射光化学研究センター・構造物性研究グループ, 研究員 (90354985)
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Keywords | MgB_2 / 単結晶 / 超伝導 / 電気化学 / 溶融塩 |
Research Abstract |
前年度に遂行した研究から見出された、良質な多結晶試料が得られるMgCl_2-NaCl-KCl-MgB_2O_4-CuCl_2系を原材料とし、単結晶が得られるかどうかの検討を行った。溶融塩の均一な組成と温度を保つため、電極を回転させて溶融塩を均一化させ、また、ポテンショメトリ等の電気化学測定を行いつつ、電解電圧を最大10ボルト程度まで変化させ、合成を行った。さらに、出発物質を様々な化合物(例えばハロゲン化マグネシウムー般)に変える試みも行った。電気化学合成では、直流電流でなく、時間的に変化する電流(例えばパルス電流)を反応電極に印加することにより合成が行える場合があるため、この合成法の可能性について検討を着手した。現在のところ、以上のような試みを行いつつあるが、単結晶は得られていない。 ただし、この研究から、本原材料を用いることにより、通常の固相反応で得られるMgB_2反応温度である500℃より下の温度領域(450℃近傍)でMgB_2が生成することを見出した。このことは、本研究提案における電気化学合成法が、従来の合成法に比べてエネルギー利用効率の高い手法であり、応用に有利であることを示す。本結果については現在論文投稿準備中であるが、2004年9月に行われた国際会議において一部を口頭発表した (Formation temperature of MgB_2 in the electro chemical synthesis from fused molten salts, K. Yoshii and H. Abe, Fourth International Conference on Inorganic Materials, Antwerp, Belgium)。 また・上述した出発物質であるMgCl_2-NaCl-KCl-MgB_2O_4-CuCl_2系を用いることで可能となった、ステンレス上のMgB_2めっき薄膜作製手法の結果を論文にして発表するとともに、米国特許出願を行った(両者とも次ページ11.研究発表参照)。
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Research Products
(3 results)