2003 Fiscal Year Annual Research Report
電極表面の秩序構造形成と非線形光学現象の誘導による光学異性体検出法の開発
Project/Area Number |
15750069
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
石岡 寿雄 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 助手 (60304838)
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Keywords | 第二高調波発生 / 分子認識 / 光学異性体 / 自己組織化 |
Research Abstract |
本研究は電極/水溶液界面に分子認識場を構成し,対象分子との水素結合あるいは電位による変化を誘導することにより表面での対称性の変化を増幅し,界面における分子認識,特に光学異性体の分離検出が可能な新規分光検出法を開発することを目的としている.平成15年度,上記目的を達成するために,界面の構造の設計および分光測定法に関する基礎的な検討を行い,以下の成果を得た. 1.界面での分子認識系の構築と最適化 酸化・還元により吸着構造,水素結合を制御可能な分子としてアントラキノンを基本骨格とし,チオ尿素,アミノ基等の官能基を持つ分子を合成し,金単結晶表面にAu-S結合により強固に固定することに成功した.またこの電極表面の第二高調波発生信号強度が水中リン酸イオンについて10^<-8>〜10^<-1>Mに至る幅広い濃度領域において変化することから,界面において水素結合性分子認識場が創製されたことを確認した. 2.界面構造のアニオン共吸着による制御 表面での分子認識場の配向の制御にアニオンとの共吸着を利用するため,種々のアニオンについて,界面構造に与える影響を検討した.塩化物イオンとのアントラキノン誘導体の共存が界面での配向性を大幅に向上させ,強い第二高調波信号発生を誘導することが明らかとなった. 3.第二高調波回転異方性の波長依存性測定装置の構築 第二高調波の検出系として,金電極表面の回転異方性と励起波長依存性を同時測定可能なシステムを新規構築した. 以上の成果を元に,アミノ酸を中心とした試料について,第二高調波発生に基づく光学異性体の分離検出を平成16年度に実現する予定である.(682字)
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Research Products
(1 results)