2004 Fiscal Year Annual Research Report
分子認識能を持つDNAを利用した一塩基多型(SNPs)の簡便検出法の開発
Project/Area Number |
15750070
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
矢野 和義 東京工科大学, バイオニクス学部, 助教授 (40262109)
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Keywords | BIAcore / SPR / ゲノム / 一塩基多型 / SNPs / アプタマー / ApoE / ストレプトアビジン |
Research Abstract |
昨年度は一塩基多型のモデルターゲットとしてヒト白血球抗原(HLA)の配列を用いて本検出系が有効であることを示した。今年度はさらに適用範囲を広げ、ApoE多型の一塩基変異検出を試みた。 ApoE3(a.a.112)とApoE3(a.a.158)及び一塩基変異体であるApoE4(a.a.112)とApoE2(a.a.158)について、多型部分を中央に含む30塩基のDNAを合成し各ターゲットDNAとした。これらをそれぞれプローブDNAと混合し熱変性してthree-way junction構造を形成させた後、SPR測定装置によりSPR応答値の観察を行った。SPRのセンサーチップにはあらかじめコール酸を固定化させた。各DNAの濃度はどのオリゴヌクレオチドも50μMとなるように調製した。 まずプローブに対してフルマッチとなるApoE3(a.a.112)とApoE3(a.a.158)に対してはSPR応答値は有意義な値を示さなかった。一塩基変異体であるApoE4(a.a.112)とApoE2(a.a.158)も同様に有意義な値を示さなかった。フルマッチ配列に対しても有意義なSPR応答値を示さなかったのは、G-C richな配列のため他の部分でハイブリダイゼーションしてしまい、目的としているthree-way junction構造を形成しているものが非常に少ないためであると考えた。 そこで、センサーチップ上に結合する分子の大きさに応じてSPR応答値が増強される現象を利用することにした。すなわち、2本あるプローブのうちの1本の5'末端にBiotin標識したものを用いてthree-way junction構造を形成させ、そこにStreptavidin(M.W.60,000)を結合させて分子の大きさを増加させた。その結果、Strepatavidin-Biotin結合probe DNAを用いることによってフルマッチとミスマッチのSPR応答値の差は飛躍的に顕著になり、G-C richな配列に含まれているSNPsも本検出系によって検出可能であることが確認された。
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Research Products
(1 results)