2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15750089
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
安田 誠 大阪大学, 大学院・工学研究科, 講師 (40273601)
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Keywords | アルコール / 脱ヒドロキシ / インジウム / アリルシラン / 直接置換 / アルキニルシラン / 選択的反応 / 触媒 |
Research Abstract |
アルコールは自然界に最も多く存在している化合物郡のひとつで、その機能および有用性は高く、また合成中間体としての用途も極めて広い。しかしながらアルコールのOH基を直接置換する様式の反応はOH基自体の低い脱離能のため困難で、一旦別の脱離能の高い置換基に変換するステップを経る必要がある。本研究では、インジウムハライドを鍵触媒とすることで、ケイ素求核種によるアルコールの直接脱ヒドロキシル化に成功した。 1、アリルクロロジメチルシランによる直接アリル化 アルコールとアリルクロロジメチルシランを触媒量の三塩化インジウム存在下、室温で撹拌すると脱ヒドロキシアリル化が進行し、対応するオレフィンが高収率で得られた。 2、トリメチルアリルシランによる直接アリル化 アリルクロロジメチルシランと比較して反応性の低いトリクロロアリルシランは、1の条件では反応が進行しなかったが、60℃程度の加熱条件により、極めて効率よく反応が進行した。 3、種々のトリメチルシリル求核種との反応 アリル種だけでなく、アルキニル、プロパルギル、シンナミル、プレニル基を有するトリメチルシリル求核種を本反応系に適用可能であることが明らかになった。いずれも触媒量のインジウム種が効率よく反応を促進している。 以上の形式の反応は、いずれの場合もセドロキシ選択性に優れており、分子内近傍にエステルやニトロ基などが存在してもそれらの官能基に全く影響を与えない。これは、一般的なグリニア反応剤とは際立った反応性を示し、合成的利用が強く期待できる反応系と評価できる。
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Research Products
(1 results)