2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15750105
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
武井 史恵 大阪大学, 産業科学研究所, 教務職員 (30252711)
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Keywords | ポリイソシアニド / らせんポリマー / リビング重合 / 有機金属錯体 |
Research Abstract |
我々はこれまでにアセチレン架橋パラジウム・白金複核錯体がアリールイソシアニドのリビング重合開始剤となることを見出している。今年度はまず本重合系を利用した多点活性重合開始剤について検討した。アセチレン架橋パラジウム・白金複核ユニットを分子内の2箇所或いは3箇所有する錯体を合成し、それを用いてアリールイソシアニドを重合させると分子量分布が狭いポリマーが定量的に得られた。すべてのアセチレン架橋パラジウム・白金複核ユニットで重合反応が進行していることは、NMRやGPCによる反応追跡だけでなく、生成したポリマーから各ポリイソシアニドユニットを切り離しても分子量分布の狭いポリマーが得られたことから確認した。また、速度論的な検討からアキラルイソシアニドの重合では分子内の活性点が増加するに従って重合速度が若干低下するが、キラルイソシアニドの場合にはほとんど影響がなく、キラルイソシアニドから合成したポリマーが強固ならせん構造を保持していることを支持する結果となった。 次に、ポリイソシアニドの立体規則性とらせん方向選択性との相関関係を調べる目的で、イソシアニド重合開始剤として最も一般的な塩化ニッケルを用いてキラルイソシアニドの重合を行い、得られたポリマーの光学的な性質について検討した。その結果、塩化ニッケルを用いて合成したポリイソシアニドは、アセチレン架橋パラジウム・白金複核錯体によって合成したポリイソシアニドよりも小さな比旋光度やCotton効果を示し、らせん方向選択性が低いことがわかった。^<13>CでラベルしたポリイソシアニドのNMRから、塩化ニッケルによるポリマーの立体規則性は低いことを明らかにし、このポリマーを加熱すると立体規則性が向上し、それに伴って比旋光度やCotton効果の値も大きくなり、一方向巻きのらせんへと変化することもわかった。
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Research Products
(5 results)