2003 Fiscal Year Annual Research Report
両親媒性ポリマーを界面グラフト化した磁性ナノ粒子の調製と知的分離プロセスへの展開
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15750123
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
高藤 誠 熊本大学, 工学部, 助手 (50332086)
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Keywords | 磁性ナノ粒子 / 有機-無機ハイブリッド / テロメリゼーション / 高分子金属錯体 / 表面修飾 / ビニルイミダゾール / 金属吸着剤 |
Research Abstract |
本研究では,磁性ナノ粒子の表面修飾による機能の付与を目的として,graft-to法(ポリマー調製後にグラフト化する方法)によるポリマーのグラフト化について検討した。3-メルカプトプロピルトリメトシキシシランをテロゲンとしたビニルモノマーのテロメリゼーションにより末端反応性のポリマーを得た後,磁性粒子(γ-Fe_2O_3,平均粒径:28nm)へグラフト化することで表面修飾を行った。ビニルピリジン,N-イソプロピルアクリルアミドなど数種のモノマーについてテロメリゼーションが適用できることが判った。1-ビニルイミダゾールを用いた場合,テロゲンとモノマーの仕込み比により容易に重合度の調整を行うことができた。また,磁性粒子へのグラフト化において,重合度の大きいものほど担持量は増大するもののポリマー鎖あたりのグラフト化密度は減少した。重合度70のポリマーの場合,0.89unit-mmol g^<-1>(約10wt%)のイミダゾール基が導入され,そのグラフト化密度は0.19chain nm^<-2>であった。得られた1-ビニルイミダゾールグラフト化磁性粒子は,pH3.5から10の範囲においてポリマーの脱離が見られなかった。また,水中での分散性を調査したところ,ポリマーのグラフト化前後において分散性の低下は認められなかった。 金属の吸着実験として,Cu^<2+>,Ni^<2+>,Co^<2+>について検討した結果,Cu^<2+>をもっとも効率よく吸着することが確認された。Cu^<2+>の場合,イミダゾール基に対して,0.2-0.25当量を吸着し,その吸着量はカウンターアニオンやpHに影響されることが判った。グラフト化量の増大に伴い,金属の吸着量も増大したことから,ポリマー鎖は磁性粒子表面でフレキシブルに動き,金属と錯体を形成していると推察された。Cu^<2+>/Ni^<2+>およびCu<2+>/Co^<2+>の混合液からの吸着実験を行った結果,Cu^<2+>を選択的に吸着,回収できることが確認された。いずれの場合もpH3.5-6.5の範囲で選択性は95%以上であった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Makoto Takafuji, Shunichi Ide, Zenghe Xu, Hirotaka Ihara: "Preparation of poly(1-vinylimidazole)-grafted magnetic nanoparticles and its application for removal of metal ions"Chemistry of Materials(アメリカ化学会). 印刷中.
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[Publications] Makoto Takafuji, Shunichi Ide, Kenji Kato, Zhenghe Xu, Hirotaka Ihara: "Preparation of poly(1-vinylimidazole)-grafted magnetic nano particles and its application to metal ion adsorbent"8^<th> Pacific Polymer Conference. 8. 37 (2003)