2004 Fiscal Year Annual Research Report
出芽酵母をモデル系とした抗癌剤ストレスのプロテオーム解析
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15750150
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Research Institution | Kobe City College of Technology |
Principal Investigator |
芝崎 誠司 神戸市立工業高等専門学校, 応用化学科, 助教授 (50342530)
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Keywords | 5-FU / 遺伝子ライブラリー / HPLC |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、独自に作製した酵母ゲノムライブラリーを用いて5-FU耐性株の取得を進めた。耐性株の取得後、ゲノムライブラリー由来のプラスミドを回収し、耐性に関与している遺伝子の同定を行った。また、得られた耐性株について、細胞内で特異的に発現しているタンパク質についてHPLCによる解析を進めた。 1 5-FU耐性株の取得 昨年度の終わり頃に開始した5-耐性株の取得を継続して行った。ゲノムライブラリーを酢酸リチウム法でW303-1A株に導入し、レプリカにより5-FU濃度の異なる培地に形質転換体を移しとるという手法は昨年度と同様であるが、形質転換効率を高めるための条件検討も行った。 2 5-FU耐性に関与する遺伝子の解析 得られた5-FU耐性株からプラスミドを回収し、耐性に関わっていると考えられる遺伝子の同定を進めた結果、現在までに報告されている遺伝子も含まれていたが、これらとは異なる遺伝子も耐性に関わっている可能性が示唆された。 3 HPLCによる発現タンパク質の解析 上記で得られた5-FU耐性関連遺伝子を過剰発現している細胞内で、遺伝子産物以外に特異的に発現しているタンパク質を解析した。細胞質画分タンパク質についてSDS-PAGEを行い、このデータをもとに分子量ごとに細胞質画分をさらに分画した。これらの試料を高速液体クロマトグラフィーにより分析し、コントロール細胞のものと比較することで特異的に発現しているタンパク質を分離、精製した。単離されたタンパク質を質量分析につなげるためのシステムの検討も行ない、詳細な分画操作等の前処理が不必要なタンパク質同定システムを構築した。今後、耐性関連遺伝子と、本システムにより同定された特異的発現遺伝子産物の関連性について詳細に明らかにしていく。
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