2004 Fiscal Year Annual Research Report
選択的な高速イオン輸送を目的とした櫛形有機ホウ素高分子固体電解質の合成
Project/Area Number |
15750152
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
松見 紀佳 国立大学法人東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 助手 (40323745)
|
Keywords | 高分子固体電解質 / 選択的イオン輸送 / 高速イオン輸送 / 有機ホウ素高分子 / リチウムイオン二次電池 / 櫛形高分子 |
Research Abstract |
平成16年度には、以下の研究成果を得た。 まず、櫛形ボレート高分子を合成する目的でリチウムメシチルヒドロボレートとオリゴエチレンオキシドとの脱水素カップリング重合により得られるポリ(リチウムメシチルヒドロボレート)を反応性高分子として利用し、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルとの高分子反応について検討した。その結果、対応する高分子が良好な収率で得られ、イオン伝導度は側鎖にメトキシ基を有するポリ(リチウムメトキシヒドロボレート)の場合と比較して大きく向上した。この櫛形ボレート高分子のリチウムイオン輸率は室温で0.92であった。 さらに、高解離性の塩構造を櫛形高分子電解質に導入したポリマー/塩ハイブリッドの合成を試みた。ポリ有機ホウ素ハライドに対して、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ヘキシルアミンを順次反応させ、イミノボランユニットを有する櫛形高分子を得た。その後、水素化リチウムを用いて中和し、ホウ素安定化イミドアニオンのリチウム塩を有するポリマー/塩ハイブリッドが得られた。この高分子中の塩構造においては、ホウ素-窒素結合のpπ-pπ相互作用によりイミドアニオンが高度に安定化されていると考えられ(ホウ素安定化イミドアニオン)、高いイオン伝導度の発現が期待できる。実際に交流インピーダンス法によりイオン伝導測定を行ったところ、このポリマー/塩ハイブリッドは323Kで131x10^<-4>〜2.37x10^<-6>S/cmと、シングルイオン伝導体として高いイオン伝導度を示した。また、ヘキシルアミンの代わりにトリフルオロメタンスルホンアミドを用いることにより、スルホンイミド型のホウ素安定化イミドアニオンの導入にも成功し、伝導度の改善が観測された。
|
Research Products
(3 results)