2004 Fiscal Year Annual Research Report
超音波印加を利用する導電性高分子膜の構造制御型合成と固体電解コンデンサへの応用
Project/Area Number |
15750153
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
跡部 真人 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 講師 (90291351)
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Keywords | 超音波 / 導電性高分子 / 電解コンデンサ / 固体電解質 / 電解重合 |
Research Abstract |
超音波は化学反応系において、超高温、超高圧、超高速物質移動などの極めて特異な現象を発現する。しかも、これらの現象は極めて微細な局所において極めて短いパルスとして生起と消滅を繰り返す。このような化学反応場は従来の如何なる化学反応プロセスにおいても実現され得ないものであり、超音波は全く新しい原理に基づく化学反応の駆動機能および制御機能を発揮して、物質合成と素材製造における新しい技術革新の有力な担い手となるものである。 一方、高品質な電解コンデンサの開発において固体電解質製造技術の超高度化は不可欠である。固体電解質としての所期の機能を発揮させるには単に分子論的に所定の化合物を合成するだけでは十分とはいえない。固体電解質の機能はその形態にも強く依存するもので、生成時の形態が合目的的であることが望ましい。つまり、形態制御型合成が極めて重要であり、この目的のためには上記の超音波利用が有効と考えられる。 本研究はこの概念に則り、固体電解質として利用する導電性高分子薄膜の高密度化、高均質化ならびに高安定化を指向したものである。 前年度は電解重合反応における超音波効果について、それらの発現反応、発現条件、発現効果などを綿密かつ系統的に追究し、超音波利用のため基盤となる指針を獲得したが、本年度はこれらの研究成果に基づき電解コンデンサへの利用の可能性を追求することを戦略とし、超音波照射下において得られた緻密で平滑な導電性高分子膜(ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン)のドーピング特性を中心に検討した。その結果、照射下作製による導電性高分子膜のドーパント保持能力は非照射下作製のものに比べ、格段に向上することが明らかにされるとともに電気化学的な耐久性の向上も確認され、本方法論が高性能な電解コンデンサの開発に繋がることが明示された。
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Research Products
(7 results)