2003 Fiscal Year Annual Research Report
有機EL電子輸送材料を指向したポリアザ芳香族化合物の開発
Project/Area Number |
15750157
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
石井 努 九州大学, 先導物質化学研究所, 助手 (60346856)
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Keywords | 電子輸送材料 / 有機EL / トリアジン / ヘキサアザトリフェニレン / 電子移動度 / アモルファス膜 |
Research Abstract |
本年度は、ヘキサアザトリフェニレン及びトリアジンを母体とした新規電子輸送材料の合成及び基礎知見の収集を行った。 1.ヘキサアザトリフェニレン系電子輸送材料の合成と物性評価: ヘキサアミノベンゼンと芳香族ジケトン類との縮合反応により、6個の芳香族側鎖を有するヘキサアザトリフェニレン誘導体を合成した。 CV測定において、ヘキサアザトリフェニレン誘導体は1.7V(vs Ag/Ag^+)付近に可逆的な還元波を示し、本化合物の高い電子親和性と電気化学的安定が確認された。DSC測定では、100度以上にガラス転位温度が認められ、本ヘキサアザトリフェニレン誘導体がアモルファス膜形成能を有することが示された。CV及びDSC測定で示された特性は有機EL電子輸送材料として必須であり、今回合成したヘキサアザトリフェニレン誘導体が電子輸送材料の新規候補であると判断できる。 2.トリアジン誘導体の合成と物性評価: 4-ブロモベンゾニトリルの3量化反応により1,3,5-(4-ブロムフェニル)トリアジンを合成し、更に種々の芳香族ボロン酸とのSuzukiカップリング反応により、種々の1,3,5-トリアリルトリアジン誘導体を得ることに成功した。ヘキサアザトリフェニレン誘導体と同様に、CV及びDSC測定により合成したトリアジン誘導体の電子親和性・電気化学的安定及びアモルファス膜形成能を評価した。すべてのトリアジン誘導体は電気化学的安定性を示したが、電子親和性(1.9V vs Ag/Ag^+)はヘキサアザトリフェニレンと比較して若干低下した。アモルファス膜特性は、1-ナフチルフェニル基を導入したトリアジン誘導体が最も優れた性能を有した。 3.トリアジン誘導体の電子輸送特性: TOF測定の結果、1-ナフチルフェニル基を導入したトリアジン誘導体が8x10^<-4>cm^2/Vsの高速電子移動能を有することが判明した。本移動度は、アモルファス状態での電子移動度としては最高レベルの値である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kentaro Yaguma, Tsutomu Ishi-i, Thies Thiemann, Masataka Yashima, Kazunori Ueno, Shuntaro Mataka: "High electron mobility triazine derivative"Proceedings of The 10^<th> International Display Workshops. 1347-1350 (2003)
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[Publications] Shin-ichiro Kato, Tsutomu Ishi-i, Thies Thiemann, H.Sato, Yoshiharu Sato, Shuntaro Mataka: "Preparation of Novel Red Light-Emitting Materials Based on a 2,1,3-Benzothiadiazole Unit and Their Application to Organic Electroluminescent Devices"Proceedings of The 10^<th> International Display Workshops. 1335-1338 (2003)