2003 Fiscal Year Annual Research Report
高分子複合化技術による生分解性プラスチック材料の相構造設計と分解速度制御
Project/Area Number |
15750178
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉江 尚子 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (20224678)
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Keywords | 環境低付加プラスチック / 微生物由来ポリエステル / ポリマーブレンド / ポリマーブレンドの相構造 / 生分解性ポリマー |
Research Abstract |
プラスチック材料による環境負荷低減のために、再生可能資源由来プラスチック及び生分解性プラスチックの開発が進められている。本研究はこれらの新規プラスチックに対して、高分子複合化技術を用いて相構造と分解速度を制御するための指針をまとめることを目的とする。本年度はまず、微生物由来共重合ポリエステルブレンドの相構造と分解性を解析した。微生物由来共重合ポリエステルのうち、3-ヒドロキシブタン酸と3-ヒドロキシペンタン酸の共重合体(PHB-HV)はアイソモルフェズム現象(HBとHVユニットが同一結晶格子内で共結晶化すること)を示すが、これを同種の結晶格子を持ちアイソモルフィズム現象を示さない他のHB共重合体とブレンドすると、ブレンド成分の化学組成や結晶化条件等により持異的な相構造変化をすることを明らかにした。これらのブレンドでは、二成分が非相溶の場合にはそれぞれ独立に結晶化し、相溶の場合には二成分の結晶化速度差が大きい場合より順に、二成分の結晶相分離、結晶化の速い成分のみ結晶化し他方の成分は結晶間の運動性の低い領域で非晶状態のまま存在、二成分の共結晶化と変化する。この際、PHB-HVが他成分より遅い結晶化を示す場合には、HVユニットも他成分の結晶格子中に取り込まれることが可能なため、逆の場合と比較して共結晶化が許容されやすい。また、分解速度も相構造変化に対応して変化することが確認され、ブレンドにより分解速度制御が可能であることが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Naoko Yoshie 他4名: "In situ FTIR microscope study on crystallization of crystalline/crystalline polymer blends of bacterial copolyesters"Polymer. 44. 7405-7412 (2003)
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[Publications] Naoko Yoshie 他2名: "Cocrystallization and phase segregation in crystalline/crystalline polymer blends of bacterial copolyesters"Macromolecules. (印刷中). (2004)