2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15760010
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
寺井 慶和 大阪府立大学, 総合科学部, 助手 (90360049)
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Keywords | シリサイド系半導体 / 鉄シリサイド / 光学特性 / 発光強度増大効果 / ドーピング |
Research Abstract |
シリサイド半導体の一つであるβ-FeSi_2は1.55μm付近で発光することが知られており、赤外領域の発光、受光素子の開発を目指した研究が現在活発に行われている。β-FeSi_2はシリコンの弱点である発光機能をβ-FeSi_2が補うため、シリコン光-電子集積素子が実現できると期待されている。また研究の新たな展開として、光・電子・磁気間の相互作用を生む磁性半導体がシリサイド半導体で実現できれば、シリコンスピントロニクスへの大きな可能性が拓ける。 以上のような背景のもと.本研究では種々の不純物をβ-FeSi_2に添加することにより新機能特性の発現を目指した。その結果,H15年度は以下の結果を得た。 ・イオンビーム合成法(IBS)により,Al,B,Mn,Co,Oをドーピングしたβ-FeSi_2を作製し,その発光特性を調べた.その結果,Siサイトに入るAl,B,Oをドープした試料では発光強度が増大し,Feサイトに入るMn,Coをドープした試料では逆に発光強度が減少する結果が得られた.これよりβ-FeSi_2中のSi原子空孔が非輻射遷移センターとして働くことが明らかになった.よってSi原子空孔を更に減少させる手法を開発することによりβ-FeSi_2の高輝度化が可能であることをはじめて示した.H16年度は計画通り不純物ドープした試料の磁気的評価も行う予定である. ・最近の理論計算ではβ-FeSi_2のバンド構造は間接遷移型であり,ひずみが加わることにより直接遷移型へ変化することが報告されている.よってバンド構造の解明といった目的からもβ-FeSi_2の熱膨張係数を明らかにし,Si界面とのひずみを評価することは基礎物性的に非常に重要である.そこで単結晶β-FeSi_2の低温X線回折実験を行い,β-FeSi_2の低温における結晶構造と格子定数を明らかにした.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Yoshikazu Terai, Yoshihito Maeda: "Enhancement of 1.54μm photoluminescence observed in Al-doped B-FeSi_2"Applied Physics Letter. 84. 903-905 (2004)
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[Publications] Yoshikazu Terai, Yoshihito Maeda, Hiroki Ishibashi, Haruhiko Udono: "Thermal expansion of β-FeSi_2 at low temperatures"Thin Solid Films. (in press). (2004)
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[Publications] Yoshikazu Terai, Yoshihito Maeda: "Photoluminescence Properties of Ion-Beam Synthesized Beta-FeSi_2"Thin Solid Films. (in press). (2004)