2004 Fiscal Year Annual Research Report
リアルタイムシミュレーション技術を用いた応力カメラ・流線カメラの開発
Project/Area Number |
15760046
|
Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
中林 靖 東洋大学, 工学部, 講師 (00349937)
|
Keywords | リアルタイムシミュレーション / 応力カメラ / 流線カメラ / デジタルカメラ / Bluetooth / 静応力解析 |
Research Abstract |
16年度の研究計画としては、昨年度に引き続き基礎技術の確立に重点を置いた2つのテーマ「2次元画像認識技術の研究」、「イメージベースシミュレーション技術の研究」を完成させる予定であった。両方のテーマもすでにある程度の研究が行われているものであり、数多く存在する手法の中から本研究で目指すリアルタイム性とロバスト性に適合した手法を選定し、またそれらを改良することにより今後の研究の基盤とする方針で取り組んできた結果、一定の成果を得た。 具体的には、Bluetooth内蔵型デジタルカメラを用いることにより、当初の計画と同様な応力カメラの開発を行い、システムとして完成させた。Bluetoothは近距離の情報機器間で無線通信によりデータを送受信する装置であるが、これを用いることにより、デジタルカメラで撮影した画像を瞬時にサーバコンピュータに送信し、静応力解析などの物理シミュレーションをリアルタイムに実行した後に、可視化結果をデジタルカメラに戻すことができる。 完成したシステムは、まず、Bluetooth内臓型デジタルカメラでホワイトボード上に描かれた単純な幾何学形状を撮影し、サーバコンピュータ間へその画像データをリアルタイムに送信する。次に、その画像を判別分析法により二値化処理することにより対象物の形状認識をし、その形状に対してボクセル法ベースの有限要素法静応力解析を行い、可視化結果をサーバコンピュータ上に表示するものである。ここまでの間に必要な時間は、幾何学形状の種類にもよるが、通常数秒〜数十秒である。なお、これらの研究成果は17年度中に論文としてまとめて発表する予定である。 今後の課題としては、速度向上によるリアルタイム性の追求、可視化結果をデジタルカメラに戻す技術の確立、応力だけではなく流線への対応、3次元への拡張が挙げられる。これらのうち、当面は、リアルタイム性の追求と流線への対応を優先的に行っていく。
|