2004 Fiscal Year Annual Research Report
光機能ガラスセラミックスの機能に及ぼす力学的影響の解明と機能の疲労特性評価
Project/Area Number |
15760054
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
宮下 幸雄 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (00303181)
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Keywords | 光機能性材料 / 二次高調波 / 機械的性質 / 応力集中 / ガラス / ガラスセラミックス |
Research Abstract |
供試材として,昨年度まで用いていたTeO_2系ガラスセラミックスのほかに,機械的強度および発生する二次高調波の強度が大きいと考えられるGeO_2系ガラスセラミックスについても機械的特性と機能性について検討した.原料粉末を混合・溶融した後急冷することで,ガラス状態のサンプルを作製し,熱処理を施すことで結晶化させ,ガラスセラミックスを得た.作製した試料について,X線回折により結晶化を確認した.その結果,熱処理を施した試験片は,結晶化を示すピークが認められたが,表面を30μm研磨するとピークが消失した.すなわち,表面層のみが結晶化していると考えられる.なお,破断した試験片の断面観察より,表面層の厚さはおよそ10μmであった.機械的性質として,ガラスおよびガラスセラミックスのヤング率,ポアソン比,硬さ,破壊じん性,曲げ強度を求めた.その結果,いずれの値も結晶化により向上した.GeO_2系ガラスセラミックスはTeO_2系ガラスセラミックスよりも高い強度を示した.光機能性として,二次高調波の発現状態を観察した.光学顕微鏡にYAGレーザ装置を組合せ,波長1064nmのYAGレーザを供試材に照射することで発生する,波長532nmの二次高調波を緑色の可視光として観察した.その結果,GeO_2系ガラスセラミックスは,TeO_2ガラスセラミックスと比較して非常に強い二次高調波が発生することがわかった.この観察装置に取付けが可能な負荷装置を設計・試作した.ネジと圧電素子により荷重を負荷する構造とした.一様な圧縮荷重を負荷して二次高調波の発現挙動を観察したが,荷重の影響は顕著に認められなかった.急峻な応力分布が生じる場合の二次高調波の発生挙動を調べるため,中央に円孔を有する試験片を作製し,応力集中部における二次高調波の発現挙動を調べた.その結果,荷重を負荷すると,二次高調波の強度にわずかな変化が認められた.
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