2005 Fiscal Year Annual Research Report
高性能溶射皮膜を応用したフレッティング疲労特性の改善に関する基礎的研究
Project/Area Number |
15760055
|
Research Institution | Toyama National College of Technology |
Principal Investigator |
岡根 正樹 富山工業高等専門学校, 環境材料工学科, 助教授 (90262500)
|
Keywords | フレッティング疲労 / WC-Co溶射 / 高速フレーム溶射(HVOF) / Ni-Cr-Mo鋼 / 接線力 / 基材硬度 / 接触片 / フレッティング疲労強度比 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き,高速フレーム溶射(HVOF)によるWC-Co溶射鋼のフレッティング疲労特性に関する実験的研究の一環として,主に,接線力(摩擦力)の影響と,基材硬さの影響の2点について基礎的な検討を行った. (1)接線力の影響について 数種類の大きさの接触片を用いることで,同応力振幅条件においても接線力を変化(制御)させたフレッティング疲労試験を行った.その結果,いずれの応力レベルにおいても,溶射材のフレッティング疲労寿命は,サイズの大きな接触片を用いた場合の方が短寿命となった.これは,接線力の大きさが接触片のサイズに依存した結果であり,この傾向は,未処理材の場合と同様であった.また,接触片の大きさの違いによるフレッティング疲労寿命・強度の差違(割合)は,溶射材,未処理材いずれの場合も,ほぼ接線力の大きさの差違(割合)と同程度であり,溶射材においても,未処理材同様にフレッティング疲労寿命・強度は,接線力の大きさによってほぼ一義的に決定されること等が明らかとなった. (2)基材硬さの影響について これまでの実験結果(Hv=300)と比較検討するため,より硬い基材(同500)に,同様のWC-Coを溶射した試験片を用いてフレッティング疲労試験を行った.基材硬さが500の場合のフレッティング疲労寿命・強度は,基材硬度300の場合のそれらに比べ若干向上する傾向を示した.一方,基材硬度500の場合,溶射処理によりフレッティング疲労強度が120%〜170%程度に向上し,その程度は基材硬度300の場合とほぼ同程度であった.これは,溶射材と未処理材の接線力の大きさの差違(割合)が,基材硬さの違いに対して顕著な違いを示さなかったことに起因した結果である.したがって,基材硬度が300〜500程度の範囲であれば,WC-Co溶射により良好なフレッティング疲労特性の改善が得られることが明らかとなった.
|
Research Products
(1 results)