2003 Fiscal Year Annual Research Report
分子動力学法による二元系非晶質金属の繰返し荷重下の損傷蓄積のメカニズムの解明
Project/Area Number |
15760065
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
中谷 敬子 大阪府立大学, 工学研究科, 助手 (60295714)
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Keywords | 分子動力学法 / アモルファス / Cu-Zr / 損傷 / 疲労 / 力学特性 / 変形 / 破壊 |
Research Abstract |
アモルファス合金は、低い剛性にも関わらず、静的強度、衝撃破壊強度、疲労強度、いずれも大きいというその特徴をもち、その製品の開発が進んでいる。これまで、申請者らは、Zr単結晶および、Cu-Zr系合金の結晶相に対する原子間ポテンシャルを提案し、弾性係数を始めとする力学特性の評価、および、構造安定性を調べることにより提案したポテンシャルパラメーターの妥当性を確認した。さらに、提案したZr結晶に対するポテンシャルは、構造の相変態に深く関与することが知られている、のT1フォノンのN点での不安定性も良好に再現しており、従来のパラメータよりも優れていることを確認している。 この研究を更に進めて、申請者らが構築しているCu-Zr合金系の結晶相に対する原子間ポテンシャルを用いて、Cu-Zr系アモルファス合金の生成シミュレーションを実施し、その構造安定性と進行過程のメカニズムを調べること、および、Cu-Zr系アモルファス合金の大規模アモルファス構造に対する力学特性および、負荷/除荷モデルによる損傷の蓄積のプロセスを本研究課題で調べることを目的としている。 この目的達成のために、今年度は、申請者らが構築したCu-Zr合金系の結晶相を表現する原子間ポテンシャルを用いて、Cu-Zr系アモルファス合金の生成過程の分子動力学法シミュレーションを行ない、その進行過程を解明を試みた。具体的には、Cu-Zr合金(結晶相)の融解・急冷過程の分子動力学シミュレーションによるアモルファス金属の生成および、その幾何学的な原子構造の変化を、ボロノイ多面体解析、動径分布関数、拡散係数を評価することによる、アモルファス構造の生成過程とそのメカニズムの検討を試みた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] K.Nakatani, Y.Sugiyama, H.Kitagawa: "A Molecular Dynamics Study of Mechanical Properties and Fractures of Amorphous Metal"Book for IUTAM, Kluwer Academic Publisher. (to be published). (2003)
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[Publications] Nakatani, K., Sugiyama, Y., Kitagawa, H.: "A Molecular Dynamics Study of Deformation and Fracture near a Crack Tip"Abstract of IUTAM Symposium on Mesoscopic Dynamics in Fracture Process and Materials Strength. 11 (2003)
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[Publications] Nakatani, K., Sugiyama, Y., Kitagawa, H.: "Phonon Dispersion Curves and Structural Stability for CuZr Alloys using a New Modified Embedded Atom Method Potential"Proc.of Mesoscopic Simulation Symposium(pre.symposium IUTAM 2003). (2003)