2003 Fiscal Year Annual Research Report
単結晶フッ化カルシウムの超微細溝切削による高精度フレネルレンズの加工
Project/Area Number |
15760073
|
Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
閻 紀旺 北見工業大学, 工学部, 助教授 (40323042)
|
Keywords | 超精密切削 / フレネルレンズ / フッ化カルシウム / 硬脆材料 / 延性モード加工 / 光学部品 / 赤外線 |
Research Abstract |
単結晶フッ化カルシウム(CaF_2、蛍石)は紫外域から赤外域の広範囲にわたり優れた透過性を持つため、暗視野集光デバイスや超短波長ステッパー用レンズの基板材料として使用されている。また、波長による異常分散性があり、アッベ数が大きいために、高精度光学系の色消しレンズとしても使用されている。最近、集光効率の向上やシステムの小型化と軽量化を目的として、単結晶フッ化カルシウム製フレネルレンズの加工が要求されている。本研究では、ダイヤモンドバイトを用いて単結晶CaF_2基板に微細溝を形成させ、数十μmレベルの回折面をもつフレネルレンズを製作することを目的とした。平成15年度では、下記の項目について研究開発を行った。 (1)超精密フレネルレンズ切削加工システムの構築 直線位置決め分解能10nm、回転軸位置決め分解能0.001°のXZB3軸同時制御超精密加工機において、ダイヤモンド剣バイトの先端をB軸の中心に精密に合わせる高精度工具設定システムを構築した。また、フレネルレンズ加工中における被削材の脆性破壊をリアルタイムで検出するために、水晶圧電式3分力動力計とAEセンサを併用したセンシングシステムを開発した。 (2)フレネルレンズ切削用NCプログラムの作成 平面切削実験を行い、延性モード切削の最小臨界切取り厚さを定量的に測定した。また、切削の全過程において切取り厚さがこの最小臨界切取り厚さ以下になるように、工具の送り方式や切込み角を制御するXZB-3軸同時制御NCプログラムを開発した。 (3)微小剣状ダイヤモンドバイトの製作 すくい面や主切れ刃の結晶方位を考慮して工具設計を行い、すくい角-30〜-40°、刃物角60°、先端切れ刃幅1μmの単結晶ダイヤモンド剣状バイトを製作した。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 閻 紀旺, 庄司克雄, 田牧純一, 厨川常元, 久保明彦, 清水浩貴: "単結晶フッ化カルシウムの超精密切削加工"精密工学会誌. 70・1. 106-111 (2004)
-
[Publications] J.Yan, K.Syoji, J.Tamaki: "Crystallographic effects in micro/nanomachining of single-crystal calcium fluoride"Journal of Vacuum Science & Technology B : Microelectronics and Nanometer Structures. 22・1. 46-51 (2004)
-
[Publications] J.Yan, J.Tamaki, K.Syoji, T.Kuriyagawa: "Ductile Regime Machining of Single-Crystal CaF_2 for Aspherical Lenses"Key Engineering Materials. 257-258. 95-100 (2004)