2003 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ・ナノマシニングにおける加速度と振動の有効性
Project/Area Number |
15760074
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
清水 淳 茨城大学, 工学部, 講師 (40292479)
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Keywords | 切削 / 加速度 / 振動 / 分子動力学 / 塑性変形 / 加工変質層 |
Research Abstract |
本研究は、nm〜数十nmの振幅で、かつ従来用いられてきた数十kHzの周波数を超える領域の振動、つまり超高加速度ないし超高周波微小振動をマイクロ・ナノ加工に適用し、おもに延性を呈する材料について塑性変形を抑制すること、および接触時間を低減させ、熱応力や工具摩耗の原因となる摩擦熱の発生を抑制すること、さらにはそれらの加工メカニズムを解明することを目的とする。 平成15年度は、(1)超高周波数微小振動を利用した数nm〜サブμmオーダの電子顕微鏡内微小切削実験システムの製作、および(2)平面ひずみモデルを用い、一定加速度および超高周波数微小振動援用切削の分子動力学シミュレーションを行った。得られた成果を以下に示す。 1 振動子にPZT素子、工具にダイヤモンド微細砥粒を利用し、振動(共振)周波数2〜3MHzで振幅nmオーダの振動工具の設計および製作を行なった。 2 開発した振動工具を用い、電子顕微鏡内において切削実験を行ない、定速切削(加速度も振動も無付加)に比べ、バリの発生がある程度抑制されることを明らかにした。 3 分子動力学シミュレーションにより、超高加速度切削加工は、定速切削に比べ塑性変形は抑制されるが、ひずみ速度の上昇に伴う硬化の影響により、主分力は増加する傾向を示すことがわかった。 4 分子動力学シミュレーションにより、超高周波微小振動援用切削加工において、振動の効果を得るための条件を十分満たし、工具と切りくずが断続的に接触する場合、塑性変形および切削抵抗は低減することを明らかにした。また、振動の効果を得るための条件を満たさない場合、塑性変形叫びおよび切削抵抗は低減させる効果は、ほとんどないことを明らかにした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] J.Shimizu, H.Tanaka, L.Zhou, H.Eda: "Molecular Dynamics Analysis of Ultra High-Acceleration and Vibration Cutting"Key Engineering Materials. 257-258. 21-26 (2004)
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[Publications] L.Zhou, J.Shimizu, H.Eda: "Axisymmetric Aspherical-form Generation for Large Diameter Optical Components"Key Engineering Materials. 257-258. 101-106 (2004)
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[Publications] 清水 淳, 江田 弘, 周 立波: "すべり摩擦・摩耗構の分子動力学解析-ゼロ摩耗-摩耗遷移領域の挙動-"トライボロジスト. 48・9. 741-751 (2003)
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[Publications] 谷山久法, 江田 弘, 清水 淳, 周 立波, 中沢由加里: "金属粒子適用マイクロファブリケーションの基礎的研究-第1報:鋼の微小引っかきに及ぼす第2相合金の影響-"砥粒加工学会誌. 48・9. 263-268 (2003)
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[Publications] L.Zhou, K.Shinohara, J.Shimizu, H.Eda: "Material Removal Mechanism Beyond Plastic Wave Propagation Rate"Precision Engineering. 27・2. 109-116 (2003)
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[Publications] J.Shimizu, H.Tanaka, L.Zhou, H.Eda: "Molecular Dynamics Simulation of Material Removal Mechanism beyond Propagation Speed of Plastic Wave"Proc.of Int.Conf.on Leading Edge Manufacturing in 21st Century. 309-315 (2003)