2005 Fiscal Year Annual Research Report
湿式プロセスによる傾斜および複合セラミックス工具の開発
Project/Area Number |
15760085
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
生田 明彦 近畿大学, 工学部, 講師 (70330321)
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Keywords | 湿式プロセス / セラミックス / アルミナ / 焼結 |
Research Abstract |
粉末を分散させた低粘度のスラリー(泥漿)を型に装填して静水圧的に加圧して成形するため,緻密な成形体や組成の傾斜化および均一な分散状態を容易に得ることが期待でき,そのプロセス如何で傾斜化が比較的容易に可能と考えられる.この湿式プロセス成形法を用いる本研究では,傾斜化および複合化による高機能セラミックス工具製造技術の確立を研究目的としている.その中で,本年度は以下の点について検討を行った. (1)実際の工具作製に必要と考えられる複合化した場合の基礎的なデータとなる,アルミナ基材の雰囲気中における焼結特性を調査するため,高純度・超微粉末アルミナを使用した場合の大気中および真空中における焼結により,条件を変化させて焼結を行い,密度,破壊靱性値の測定ならびに焼結体組織の観察により最適な焼結条件について調査を行った.その結果,アルミナ基材におよぼす雰囲気の影響はほとんどなく,大気中および真空中いずれであっても,焼結密度99%以上の良好な焼結体の得られることがわかった. (2)実際の工具製作に必要と考えられる組成を持つ,高純度アルミナ+窒化チタンおよび高純度アルミナ+炭化チタンにより複合化させた成形体を得た後,真空中における焼結により,条件を変化させて焼結を行い,密度,破壊靱性値の測定ならびに焼結体組織の観察により最適な焼結条件について調査を行った.その結果,焼結温度1773K,焼結時間5.4ksのような比較的低温,短時間において,相対密度が約91%になることがわかった. これらにより,湿式プロセスを用いた複合傾斜化工具作製プロセスの確立を目指す上で,実際の工具に使用されている組成を用いた場合についても,本法の適用に可能性が示されたものと考えられる.
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Research Products
(2 results)