2003 Fiscal Year Annual Research Report
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15760094
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| Research Institution | Tokai University |
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Principal Investigator |
服部 泰久 東海大学, 工学部, 講師 (60287034)
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| Keywords | ペーパ摩擦材 / 多孔質弾性体 / 摩擦 / 摩擦振動 / 動的応答 / 湿式クラッチ |
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| Research Abstract |
潤滑油中のペーパ摩擦材試料を相手平面に対して摺動するときの押し付け荷重を動的に制御でき,摩擦力を測定することに加えて,加振・摺動中の試料の変形・運動状態をも測定可能な実験装置および測定系を構築した.試料取り付け部は平行板ばねを二重に組み合わせることにより,相手平面に対して接線・垂直方向にのみ運動可能な独立な2自由度の機構とした.
この実験システムを用いて,一定条件で摺動中である接触面が1辺5mmの正方形で厚さ0.5mmのペーパ摩擦材試料に対して1〜100Hzの微小な正弦波状の押し付け荷重変動を与えた場合の摩擦力を測定し,摩擦係数の大きさと位相の周波数依存性を調べたところ,静的な予備実験では摩擦係数のすべり速度依存性がほとんどない条件において,全般的な傾向として,押し付け荷重変動の周波数の増加に伴って,摩擦係数が減少し,その変動の位相が遅れるという結果が得られた.摩擦係数の大きさと位相の変化は試料の厚さ変化と対応していたことから,接触面における潤滑油の滲出・滲入現象の存在が推察される.この傾向は,粘性液体に浸された平滑な多孔質弾性体のブロックが剛平面間に挟まれて振動的圧縮荷重を受けるときの変形-流動-摩擦解析の傾向とも定性的に一致しており,液体圧力による荷重分担の増加が固体接触による荷重分担を減少させ,みかけの摩擦係数の減少と位相の遅れを引き起こすメカニズムが確認されたものと考えている.
ただし,押し付け荷重変動あるいは自励的な原因により試料の接線方向振動が顕著になる場合など,上述の傾向が統一的に得られないこともあった.これには,相手平面と装置可動部の平行度や試料のピッチ方向の回転運動が影響している可能性も考えられ,ピッチ方向の角度調整・モーメント制御を含めた3自由度の機構を検討する必要が示唆された.
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