2003 Fiscal Year Annual Research Report
アコースティック・エミッションを用いたボルトの塑性締め法の開発
Project/Area Number |
15760097
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
水谷 義弘 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (40337879)
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Keywords | アコースティック・エミッション / 締結 / ボルト / 塑性締め |
Research Abstract |
本研究では,トルクレンチのような簡単な工具で安定した塑性域締付けができるような手法の開発を試みている.すなわち,ボルトの塑性変形の開始とともに発生するアコースティック・エミッション(AE)を締結中にモニタリングして,ボルトの塑性変形開始点を判定することを目標としている. 本年度は,AEの計測システムを製作した.ソフトウェアーについては,(1)計測したAEの特徴量を抽出し,(2)予め測定しておいたボルトの塑性変形域でのAEの特徴量と比較して,(3)塑性変形の開始を判定することが求められる.(1)については汎用のAE計測用ソフトウェアーでも「最大出力」,「エネルギー」,「持続時間」などの特徴量を抽出できるが,(2),(3)の機能を持っているものはなく,また,これらの機能を追加できるような汎用ソフトウェアーはなかった.そこで,本研究のための専用のソフトウェアーをNational Instruments社のLab VIEWで製作した.製作したソフトウェアーではAEの情報とは別に発生時のトルクもモニターできるようにした.一方,ハードウェアーは100MHz帯域のデジタルオシロスコープ(Tektronix社製)を用いてAEを計測し,GPIBケーブルを介してノートパソコンに転送するシステムにした.また,センサーで計測したAEは広帯域プリアンプ(NF回路ブロック社製)で40dB増幅してからオシロスコープに入力している.締付け中に発生する低周波数ノイズをアナログのハイパスフィルターを介すことで,AEを安定して計測できるようになった.しかし,弾性域においても高周波数のAEが発生する場合があり,これを除去する手法を開発することが当面の課題である.次年度は,AEセンサーをトルクレンチ内に組み込み,AEを用いた塑性締めシステムを完成させる予定である.
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