2004 Fiscal Year Annual Research Report
アコースティック・エミッションを用いたボルトの塑性締め法の開発
Project/Area Number |
15760097
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
水谷 義弘 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 特任助教授 (40337879)
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Keywords | アコースティック・エミッション / ボルト締結 / ボルト / 塑性締め / 軸力 |
Research Abstract |
近年,ボルトの「緩み」や「疲労」に関するトラブルが発生しているが,ボルトの塑性域締付けはいずれにもメリットがある.しかし,通常のトルク管理による締結法では安定した塑性域締付けができず,回転角法やトルク勾配法といった大掛かりな装置を要する方法で締結を行わなければならない.そこで本研究では,材料が塑性変形するとアコースティック・エミッション(以下AEという)を発生することを利用して,簡単な装置で塑性域締付けを管理できる手法とその機器の開発を試みた. 昨年度までに,ボルト締結中のAE計測装置と計測ソフトウェアーを製作したが,1秒あたり1〜2個のAEしか取り込むことができず,場合によっては適切な判定ができなかった.そこで,本年度ははじめにAE計測装置とソフトウェアーを改良し,1秒あたり70〜80個のAEを計測できるようにした.次に,強度区分の異なる2種類の炭素鋼製ボルトについて締結試験を繰り返し行い,ボルトが塑性変形を開始する直前にAE発生数が減少することを明らかにした.最後に,AE発生数の変化からボルトの塑性変形開始点を判定するシステムを構築した.以下に本年度得られた結果を列挙する. 1)AE計測装置,AE計測ソフトウェアーを改良し,AEを高速に取り込めるようにした. 2)強度区分の異なる二種類の炭素鋼製ボルトについて締結試験を繰り返し行い,ボルト締結中のAEパラメータの特徴変化を調査した. 3)ボルトが塑性変形を開始する直前にAE発生数が減少することを明らかにした.AE発生数の変化からボルトの塑性変形の開始点を判定するシステムを作った. 4)本研究の成果について特許を出願し,国際会議と国内会議で成果報告をした. 5)本システムを実用化するためには,様々な材質や径のボルトについてAEの発生傾向を追加調査する必要がある.
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Research Products
(3 results)