2004 Fiscal Year Annual Research Report
光学・画像解析に基づく混相流中に存在する普遍的な現象の抽出
Project/Area Number |
15760104
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
村井 祐一 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80273001)
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Keywords | 流体工学 / 混相流 / 流れの可視化 / 画像計測 / 気泡 / PTV / PIV |
Research Abstract |
平成16年度は,計画どおり以下の2つのテーマについて実験的・理論的研究を実施し,次に示す成果を得た. (1)高濃度分散流の分散体相互作用の計測 気泡流において局所ボイド率が高い場合の高濃度気泡流のPIV計測システムを開発した.この計測においては気泡が高濃度に画像に投影される場合において誤差の小さいPIV解析を実現するために回帰型相互相関法(Recursive Cross Correlation PIV)を考案・導入した.このアルゴリズムは空間スケールの大きいほうから順に画像相互相関を解析し最終的に1ピクセルの空間分解能まで速度ベクトル場を段階的に求解する技法である.これをボイド率30%以上の気泡流ジェットに応用し,気泡速度場の乱流スペクトルを計測することに成功した. (2)変形分散体を含む流体のせん断応力の計測 気泡直径が30ミクロン〜50mmの広範囲の条件でせん断流中における気泡運動が及ぼす局所摩擦抵抗への影響を系統的に調べた.実験は静止流体中の落球現象,水平チャネル流,回転二重円筒間流れ,螺旋円管流れ,ならびに鉛直上昇噴流の5つを対象とした.この結果,気泡の変形の時間的進展が局所せん断応力を増加させること,せん断応力に対して気泡変形が平衡となる条件で局所せん断応力が顕著に低下すること,乱流せん断場において変形を伴う気泡の揺動運動が乱流せん断応力を低下させること,さらに,固体壁面近傍に気泡が集積する場合においてボイド率の10倍の感度で摩擦抵抗低減率が得られることが初めて実験的に確認された. 以上の成果は,複数の流体力学に関する学術雑誌において発表され,とくに微小気泡の変形による流体平均物性の効果的な制御の可能性を広く認知させることができた.
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Research Products
(7 results)