2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15760107
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊藤 靖仁 京都大学, 工学研究科, 助手 (40346078)
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Keywords | 乱流混合 / 化学反応 / トリップワイヤ / 格子 / 混合層流 |
Research Abstract |
流体の混合反応を促進させる手段を提案することは,反応装置の最適設計を行ううえで極めて重要である.本研究では,トリップワイヤおよび格子が液相混合層での流体混合および化学反応にいかなる影響を及ぼすかについて検討を行った.速度差を付けて流体をテストセクションに流入させ,理想的な液相せん断混合層を形成させた.トリップワイヤも格子も取り付けておらず流体が層流状態で供給される純粋な混合層,スプリッタプレート上にトリップワイヤを取り付けた混合層,テストセクション入り口部に格子を取り付けた混合層,およびトリップワイヤと格子の両方を取り付けた混合層の四種類の流動場に対して実験を行った.化学反応を伴わない場合の実験では,一方の流体に蛍光物質ウラニンを混入した.また,化学反応を伴う場合の実験では,A成分として酢酸を,B成分として水酸化アンモニウムを用い,化学反応としてこれらの中和反応を起こさせた.主流方向および鉛直方向の瞬間速度の測定にはLDVを,A成分の瞬間濃度の測定にはレーザ蛍光法を用いた. 実験の結果,何も付けない場合やトリップワイヤを付けた場合には,主流方向平均流速や時間平均濃度の鉛直方向分布,鉛直方向乱流物質フラックスなどの速度や濃度に関する統計量の中心位置が低速側にずれ,またその分布も上下非対称になるのに対して,格子を付けた場合には,それらの分布が鉛直方向に対して対称に近い分布をとり,またその中心位置もテストセクションの中心位置からほとんどずれないことが明らかになった.また,トリップワイヤや格子を付けることによって,乱流混合反応が著しく促進され,反応生成量が,何も付けない場合に比べて1.4-1.5倍程度増大することが明らかになった.
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Research Products
(1 results)