2004 Fiscal Year Annual Research Report
変動静圧測定によるはく離流れ中の渦挙動と流力音の関連性に関する研究
Project/Area Number |
15760118
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Research Institution | Hokkaido Institute of Technology |
Principal Investigator |
平元 理峰 北海道工業大学, 工学部, 助教授 (20312663)
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Keywords | はく離せん断乱流 / 流力音 / Ribnerの膨張理論 / 変動静圧 / 渦挙動 / コヒーレンス / 音源項 / 流れの可視化 |
Research Abstract |
1.昨年度製作した測定室(簡易無響室)を使用して,はく離せん断乱流からの流力音と流れ中の速度ないし変動静圧の同時測定を行った正方形ノズル(100mmx100mm)の1辺に平板を接続して一様流速35m/sの壁面噴流とし,ノズル出口から20mm下流に高さ7mmの突起(フェンス)を平板上に設置してはく離せん断流をつくった.はく離せん断流からの流力音はスペクトル解析により400Hzから11kHzの範囲で発生していることが分かった音源領域を明らかにするため,流れ中の変動速度,変動静圧および流力音モデルの一つであるRibnerの膨張理論における音源項の強さ分布を調べたところ,これらの極大領域は異なる位置に存在した音源領域を特定するために,流力音とRibnerの音源項とのコヒーレンスを算出し,音源項のスペクトルとの積からCoherent Output Powerを求め,オーバーオール値の分布より流力音の発生に寄与している領域を求めた流力音の発生に寄与していると考えられる領域はフェンスの先端近傍の渦の生成領域とやや下流の渦の合体領域であることが示唆された. 2.流力音発生に寄与する渦挙動を検討するために,変動速度,変動静圧,Ribnerの音源項の極大領域におけるスペクトル解析を行った.下流に行くに従い,スペクトルが極大となる周波数は小さくなり,渦が生成・合体すると考えられる領域では,変動が強くなっていることが分かったこのことは,生成領域では初期渦の生成により高い周波数成分が2階時間微分から成るRibnerの音源項を大きくし,合体領域では合体渦による強い変動が音源項を大きくしていることを示唆している. 3.流れの可視化を行い,流力音発生に寄与する渦挙動の検討を行った.音源領域と推測された領域では,渦の生成や合体が観察された.これにより渦の生成(巻き上がり)と渦の合体が,はく離せん断層からの流力音発生機構として有力であることが示された.
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Research Products
(6 results)