2004 Fiscal Year Annual Research Report
ピレンのレーザー誘起蛍光強度比を用いた非定常噴霧火炎内初期すす生成領域の温度計測
Project/Area Number |
15760129
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
相澤 哲哉 東京工業大学, 大学院・理工学研究科(工学系), 助手 (60323797)
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Keywords | ディーゼル噴霧火炎 / すす生成過程 / レーザー誘起蛍光法 / ピレン / 温度計測 |
Research Abstract |
ピレンLIF法により非定常噴霧火炎の温度計測を試み、以下の知見を得た。 (1)窒素雰囲気の非燃焼蒸発噴霧におけるスペクトル計測により、ピレンのLIFスペクトルは混合気温度の上昇によってS2/S1の蛍光強度比が増加し、S1バンドは長波長方向にシフトすることが示された。 (2)非定常噴霧火炎におけるスペクトル計測では、噴射開始から着火までの期間において時間経過にともないピレンLIFスペクトルのS2/S1蛍光強度比は増加し、S1バンドは長波長方向へシフトすることが観察された。これは非燃焼蒸発噴霧において観察された傾向と同じであり、着火前であれば本手法により噴霧火炎内混合気温度の変化を捉えることが可能であることを示した。 (3)着火後は非定常噴霧火炎におけるスペクトル計測では、ピレンLIFスペクトルのS2/S1蛍光強度比の減少が見られた。これは、燃焼生成物のLIFがピレンのLIFに重畳したためと考えられ、着火後は本手法による温度計測が困難であることが示された。 (4)雰囲気温度を620K-810Kで変化させた非定常噴霧火炎におけるスペクトル計測では、雰囲気温度の上昇にともないピレンLIFスペクトルのS2/S1蛍光強度比が増加し、雰囲気温度の上昇にともなう噴霧内混合気温度の上昇を本手法により捉えられることを示した。 (5)雰囲気酸素濃度を5〜21%で変化させた非定常噴霧火炎におけるスペクトル計測では、酸素濃度の低下にともない噴射開始後1.0msにおけるピレンLIFスペクトルのS2/S1強度比が減少した。これは酸素濃度の低下にともない燃焼反応が遅延化し混合気温度が低下した結果と考えられ、本手法によりこのような混合気温度の低下を捉えられた。
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