2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15760143
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
岩本 晃史 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (00260050)
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Keywords | 界面熱抵抗 / 極低温 / 界面状態 |
Research Abstract |
昨年度までの試料と比較して被測定体の取り付け状態を変化させた試料を準備した。界面熱抵抗の測定は、熱伝導測定手法として一般的に用いられている手法を改良した我々が提案している新しい方法を採用している。すなわち、試料への入熱とそれにより発生する温度差より、界面抵抗と熱伝導率を同時に評価する手法である。昨年度までの測定では被測定体である金属とセンサーを取り付けるための銅ブロックの間をエポキシ系樹脂により接着し、金属-樹脂-銅という構成で、金属と銅の間に樹脂という模擬界面熱抵抗をつくり、界面熱抵抗の測定手法を検討してきた。その結果、本手法により界面熱抵抗を評価できる可能性が示された。そこで今年度では、模擬界面熱抵抗を極限まで小さくすることを目的として、被測定体となる金属(SS304)上に1μm厚程度の銅の蒸着膜を作成し、その部分と温度センサーを取り付ける銅ブロックの間をハンダにより固定する方法を採用した。これにより、抵抗値が小さく質的に安定した界面を作成することができると考えられる。この場合、銅-ハンダ-銅-SS304間のそれぞれの界面について評価することになるが、この時、蒸着された銅は非常に薄いためフォノンの波長とほぼ同レベルとなり、極低温においてはその熱抵抗及び界面を無視できる可能性がある。また常温では電気抵抗値から判断して、熱的にも薄膜層は無視しても良い程度の値である。熱伝導測定の結果、NISTにおいて標準試料であるSS304について測定された結果と今回の構成により測定した熱伝導率の結果が常温〜100Kではほぼ一致していることがわかった。すなわち常温〜100Kでは薄膜に関係する熱抵抗を無視しても良いと考えられる。現在、極低温における測定データを解析中であるが、極低温において両者の間に明らかな違いを見つけることができれば、それから界面熱抵抗を評価することができると考える。
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