2003 Fiscal Year Annual Research Report
エネルギー保存を規範とする2脚走歩行制御理論に関する研究
Project/Area Number |
15760144
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
玄 相昊 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30344691)
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Keywords | 非線形制御 / ロボット / 力学系 |
Research Abstract |
本研究の目的は,2脚ロボットに対して,エネルギー保存を規範とした高効率かつロバスト安定な走行・歩行制御則を見いだし,実験によって理論の有効性を示すことにある.我々は既に,バネを有する平面1脚ロボットに対して,ロボットを等エネルギー面に安定化した後に,消費エネルギー最小となる軌道へ適応的に収束させるという新しい手法を見いだしている. 本年度の主要な成果は本制御則を2脚ロボットの走行制御に拡張したことである.この手法の特徴は,制御量の中でエネルギーを陽に扱い,それを最小化するように制御するので,理論上は移動速度に関わらず消費パワーが零になり,実験においてもロボットに搭載したバッテリーの持続時間が増加することが期待できるという点である.実際,2脚ロボットに拡張した結果,エネルギー効率の良い走行が達成できることをシミュレーションで確認した.また,制御則の有効性を実際に確認するために,直動関節型2脚ロボットの試作機を新たに開発した.電気式の脚ロボットとしては,これまでにない高い跳躍性能を有していることを実験で確認している.現在2脚走行の実験準備を進めているところである. さらに,次の段階として平面4脚ロボットモデルである前後2脚走行ロボットの制御問題が浮上してきたので,その受動走行について研究を行った.受動走行とは消費パワーがゼロとなる最高効率の走行である.新たに開発した数値計算アルゴリズムにより,興味深い典型的な受動走行軌道が発見されたため,現在安定化制御則を導出しているところである.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] S.Hyon, T.Emura: "Energy-preserving control of passive one-legged running robot"Advanced Robotics. 18・4(掲載決定). (2004)
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[Publications] S.Hyon, T.Emura, T.Mita: "Dynamics-based control of one-legged hopping robot"Journal of Systems and Control Engineering. 20・4. 83-98 (2003)