2004 Fiscal Year Annual Research Report
エネルギー保存を規範とする2脚走歩行制御理論に関する研究
Project/Area Number |
15760144
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
玄 相昊 東北大学, 大学院・工学研究科, 講師 (30344691)
|
Keywords | 歩行ロボット / 走行ロボット / ヒューマノイド / 非線形制御 / ハミルトン系 / 非線形力学系 / 振動制御 / ハイブリッドシステム |
Research Abstract |
本研究の目的は,2脚ロボットに対して,エネルギー保存を規範とした高効率かつロバスト安定な走行・歩行制御則を見いだし,実験によって理論の有効性を示すことにある. 本年度の主要な成果は3つある.1つは新たに2脚走歩行ロボットを開発したこと.2つ目はロバストな新しい動歩行制御理論を開発したこと,3つ目は歩行と走行を繋げる遷移則を見出したことである. 1.新たに開発した2脚ロボットについて:これは本研究の主題である走行と歩行の理論の有効性を実験で検証するための検証用ロボットである.ロボットの開発は限られた予算の中,技官の手を借りて全て手作業で行った.完成後ただちに跳躍実験を行い高い機動性を確認した. 2.歩行制御について:エネルギー保存系つまりハミルトン系の可逆対称性に着目し,いかなる状況でも転倒しない画期的な歩行制御則を発明した.この制御則をロボットに適用した結果,予想通りの高い性能を確認した.本制御則の優れた点は,従来のヒューマノイドロボットに広く使われているZMP規範の目標軌道作成という作業が不要である点である.つまり,目標スピードを指定するだけであとはロボットみずから転倒を回避しつつ目標スピードに収束する.これを「対称歩行制御」と命名し,特許出願した. 3.最後に歩容遷移について:既に昨年度本研究によて開発された対称性に基づく走行制御則を上述の対称歩行制御と組み合わせる遷移則を見出し,目標スピードを指定するだけで,静止から歩行,歩行から走行までの一連の動きを単一の制御則で実現した.ただし,現段階では,シミュレーションのみで未発表である. 本年度で本課題は終了となるが,今後は走歩行制御理論を等身大の高機動ヒューマノイドロボットに適用する予定である.
|
Research Products
(6 results)