2003 Fiscal Year Annual Research Report
半車体サスペンションモデルにおけるセルフパワード・アクティブ振動制御の性能解析
Project/Area Number |
15760153
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
中野 公彦 山口大学, 大学院・医学研究科, 講師 (90325241)
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Keywords | 振動制御 / 制振装置 / アクティブ制御 / サスペンション / エネルギ回生 |
Research Abstract |
振動からエネルギを回生する機能を持つ1つのアクチュエータが回生と同時にアクティブ制振も行う,単一型セルフパワード・アクティブ制御を車両サスペンションに適用することを提案し,その性能を数値計算及び実験によって明らかにすることが目的である。回生と消費電力の収支を求めるエネルギ収支解析と,数値計算による制振性能の解析を行うとともに,16年度から使用開始予定の実験装置を作成した。詳細は以下の通りである。 1 エネルギ収支を計算する理論を構築し,制御ゲインが大きくなるとエネルギ収支は悪化するが,アクチュエータの電気減衰係数を大きくすることにより、回生量を増加させることが可能になることがわかった。 2 電気減衰係数および制御ゲインとエネルギ収支の関係を理論式によって求め、等高線を用いたチャートによって示し,提案するシステムが実現可能な条件を明確にした。 3 一般的な不整をもつ路面を自動車が10m/sで走行する状態を1/4車体モデルによって数値シミュレーションし、回生量が消費量を上回る条件下における、制振性能の検討を行った。エネルギ消費がないと言われているセミアクティブ制御よりも加速度減少効果があり,制振性能が高いことが示された。 4 同様の数値シミュレーションを上下加速度だけでなくピッチングも考慮可能な半車体モデルを用いて行い、ピッチングに関しても同様の制振効果があることが示された。 5 上記数値計算の妥当性を示すため16年度は半車体モデルによる実験を行う予定であるが、それに対応した実験装置を作成した。PCIバス対応のDSPボードの動作確認なども終了しており、16年度から速やかに実験を始めることが可能な状態にした。
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